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「伊勢神宮」の基礎を作った倭姫命を祭る「倭姫宮」が鎮座90周年

「伊勢神宮」の基礎を作った倭姫命を祭る「倭姫宮」が鎮座90周年

「伊勢神宮」の基礎を作った倭姫命を祭る「倭姫宮」が鎮座90周年

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 伊勢神宮の場所を定めた倭姫命(やまとひめのみこと)を祭る倭姫宮(伊勢市楠部町)が11月5日、鎮座90周年を迎えた。同4日・5日には周年を祝う「倭姫宮ご鎮座90周年奉祝記念」行事が行われた。

黒澤博幸さんによる津軽三味線の奉納「倭姫命」

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  第10代崇神天皇は、世の中の乱れ、疫病の流行を懸念し、宮中に祭られていた天照大神(あまてらすおおみかみ)と倭大国魂神(やまとのおおくにたまのかみ)を外に移すことを決めた。天照大神を祭る鎮座地を探すために崇神天皇の皇女・豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)が各地を探し歩いた。その後を引き継いだのが第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命。倭姫命は、天照大神の「御杖代(みつえしろ)」(神や天皇の杖代わりとなって奉仕する人)として再び同神を祭る鎮座地(今の伊勢神宮)を探すため全国を旅し、紀元前4年に同地にたどり着いたとされる。

 伊勢神宮鎮座後倭姫命は、神嘗祭(かんなめさい)をはじめ年中の祭りを定め、神田や神社の場所を選定するなど、さまざまなことを確立し伊勢神宮の基礎を作りあげた。にもかかわらず、倭姫命を祭る宮は存在しなかったため、1915(大正4)年から神宮司庁と宇治山田市(現在の伊勢市)が倭姫命を祭る宮の創立を国に請願。1921(大正10)年の第42回帝国議会で、皇大神宮の別宮として創立が許可され、1923(同12)年11月5日に鎮座祭が執り行われた。倭姫宮は、125社ある伊勢神宮の中で最も新しい。

 倭姫宮御杖代講奉賛会(事務局=多気郡明和町、TEL 0596-55-2309)は、毎年5月と11月の5日を春と秋の例大祭を開催する。山中隆雄会長は「倭姫命さまの功績のおかげで、伊勢の地に神宮がある。命を讃えるとともに、多くの人に倭姫命さまのことを知っていただき、倭姫宮に足を運んでいただきたい。10年後にはご鎮座100年になるので盛大にお祝いしたい」と話す。

 4日には、11団体が奉祝行事に参加、君が代独唱、日本舞踊や太鼓・ピアノ演奏などの奉納があり、漫画「ガラスの仮面」の作者で知られる漫画家の美内すずえさんによる講演会 「はじめに光透波(ことば)ありき」 があった。5日には、高城治延少宮司はじめ各界の代表者らが参列する中、神宮祭典、舞姫たちによる神宮舞楽があり、その後、神宮徴古館(同)前の特設ステージで、神谷美保子さんによる「桜月流美剣道(みつるぎどう)剱の舞」、黒澤博幸さんによる「津軽三味線、倭姫命」、皇学館大学雅楽部による「越殿楽と浦安の舞」の奉納があった。

 普段は鎮守の森の中で静かに佇む同宮だが、この日は大勢の崇敬者や市民に祝福され、賑やかだった。

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