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720ミリリットルで3,500円の芋焼酎「志州隼人」が今年も好調、年内完売の恐れも

720ミリリットルで3,500円の芋焼酎「志州隼人」が今年も好調、年内完売の恐れも(写真はシリアルナンバー1の志州隼人)

720ミリリットルで3,500円の芋焼酎「志州隼人」が今年も好調、年内完売の恐れも(写真はシリアルナンバー1の志州隼人)

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 12月16日から販売を始めた芋焼酎「志州隼人(ししゅうはやと)ゴールド」が、早くも年内完売の恐れが出ている。

「志州隼人ゴールド」、今回も「幻」の芋焼酎となってしまうのか?

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 同商品は、地焼酎のブランド化事業「地域資源∞全国展開プロジェクト」として志摩市商工会(志摩市阿児町鵜方)が昨年取り組み商品化したもので、同市志摩町越賀地区で栽培するサツマイモの一種「ハヤトイモ(隼人芋)」を煮て天日干しにした干し芋「きんこ」を主原料に米麹を使って製造した本格芋焼酎。

 同商工会が中心となって市場調査などを行い、同商品を販売する受け皿組織として市内の業者らに声を掛け「志州隼人有限責任事業組合(LLP)」(大王町波切)を設立させた。扱う商品は、「きんこ」だけを使用する「志州隼人ゴールド」(720ミリリットル、3,500円)と、「きんこ」を加工する際に出る甘皮や規格外の小イモで作る「志州隼人(スタンダード)」(同、1,500円)の2種類。

 15日に開催した同商品の製作発表会で同LLPの吉田五十三(いそぞう)さんは「初年度は『ゴールド』160本と『スタンダード』1180本製造したが、ほぼ2カ月完売してしまった。飲みたい人に回らなかったので大変申し訳なかった。今年はそれぞれ580本と3180本が完成し、昨年の倍以上ができたのでよかった」と話していたのはつかの間のこと。「大変なことに『ゴールド』は年内中に完売してしまうかもしれない」と慌てた様子で打ち明ける。

 バーチャルコミュニティー大学として2007年から活動する「賢島大学」(志摩市阿児町神明、事務局=代々木高校)で20日、同商品の製造を担当した酒造メーカー「伊勢萬」(伊勢市小俣町明野)の専務取締役・中山育之さんによる「幻のきんこ芋焼酎・志州隼人誕生の物語」と題した講演会があった。

 中山さんは「『志州隼人』が成功したのは、商工会の人たちの熱意。こういった事業のほとんどが国からの補助金をもらうだけもらって終わってしまうのに彼らは、売ってどれだけ儲けようという発想ではなく、耕作放棄地の再生や高齢者の生きがい作りのため、志摩の特産物を商品化して地域活性化の起爆剤にさせようと、一貫して信念を曲げなかった」と説明する。

 さらに「通常芋焼酎に使う原材料のイモはキロあたり200円以下。しかし『きんこ』は2,000円と10倍以上で、販売するのにコストが大きなネックになると心配していたが、彼らは最初から安く売ることを一切考えていなかった(驚)。そして『飲んでみたいと思ったら、志摩へ来て下さい』と志摩地域以外での販売をしなかった。飲みに来ていただくことで宿泊などの売り上げにつながる経済効果まで考えていた。さらに『ゴールド』には、ワインのように金のラベルに製造した年とシリアルナンバーを付け、プレミアム感を演出させた」と付け加える。

 吉田さんは「720ミリリットルで3,500円というとても高価な値段の『ゴールド』から先に売れるのは正直なところ驚き。この焼酎は寝かせて味を楽しむタイプなので、たとえば10年後、20年後、2012年ものの『志州隼人』が、さらにプレミアムな価値を持って人々に愛され飲まれるようになれば、この上ない喜び」と夢を抱く。

 販売店は以下の通り。「べんのや酒店」(志摩町和具)、「クメヤ商店」(同)、「トミヤリカーショップ」(大王町波切)、「おかよし」(同)、「隅甚酒店」(阿児町鵜方)、「カネカ」(同)、「酒やビック 志摩店」(同)、「酒やビック 阿児店」(同)、「田中屋酒店」(磯部町迫間)、「マサヤ」(南伊勢町宿浦)。

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