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ホンダがビーチクリーン活動するとこうなる?-伊勢・二見浦海岸に50人

ホンダがビーチクリーン活動するとこうなる?-伊勢・二見浦海岸に50人

ホンダがビーチクリーン活動するとこうなる?-伊勢・二見浦海岸に50人

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 ホンダ鈴鹿製作所(鈴鹿市)に勤める有志とOB、三重県内のホンダカーディーラーで組織する「三重県ホンダ会」のメンバー約50人が6月21日、伊勢の二見浦海岸(伊勢市二見町)でビーチクリーン活動を行った。

ホンダならではのビーチクリーン活動。ビーチクリーンマシンを開発

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 集まった50人は、HONDAのロゴが入ったブルーのつなぎ作業着と白の帽子姿で統一。まずは人海戦術でおのおのが大きな流木や漂着ゴミなどを拾い集め、さらに熊手やふるいを使ってゴミを取り除いていく。本来ならここまでで十分きれいになり清掃活動は終了するが、ホンダは「ものづくり」のスピリットをこのビーチクリーン活動にも取り入れ、販売目的ではない「HONDA ビーチクリーナー」を独自開発した。

 ビーチクリーナーとは、ホンダが海外で生産販売する全地形走行車(ATV)=4輪バギーカーを活用し、砂を掘り起こす「サンドレーキ(熊手)」とゴミや貝殻など小さなものを砂と分ける「サンドスクリーン(ふるい)」をけん引しながら、砂浜を何度も走行しゴミを拾う清掃装置。サンドスクリーンで分けられたゴミや貝殻は、「ステーション」と呼ぶゴミ回収場所をATVが通過することで簡単に集まる仕組みになっている。またATVの操作は、ホンダが独自基準で進める認定試験に合格した人だけに限定し、運用上の安全管理なども徹底する。

 石川県では市民ボランティアと共にホンダメンバーと「ビーチクリーナー」が清掃活動を行い、自治体はあらかじめ重機などを使って大きなゴミを処理する。ビーチクリーナーが活躍できる時間をできるだけ多く取れるように地域が一体となって活動。鈴鹿市も同様に活動、昨年は450人以上の学生が集まり自治体や多くの団体が一斉に作業を行い、そこにホンダが協力する形でビーチクリーナーが最大限発揮されている。

 これまでホンダは、北海道から沖縄までの100カ所以上の海岸を200回以上にわたり清掃してきた(2014年6月時点)。東日本大震災発生前までは福島県の浪江町や南相馬市の海岸でもビーチクリーン活動が行われていたが、いまだに再開していない。

 かつて伊勢神宮参詣者が参拝の前に海に入ってみそぎをして身体を清めた浜と知られ、また日本最初の海水浴場といわれる同海岸。伊勢神宮を伊勢の地に置くことを決めたヤマトヒメノミコトは、この海岸からの景色が美しすぎて2度見したことから「二見」という地名になったと伝えられている。この日は夏至で、同浜からすぐ近くに位置する二見興玉神社(同)の夫婦(めおと)岩の前の海岸では日の出時刻の4時40分、裸で海に入ってみそぎをする「夏至祭」が行われていた。

 心配された天気もこの日は曇りながらも晴れ間が出るほどに回復。同社社会活動推進センターの梶尾茂人さんは「実はビーチクリーナーの最大の弱点は雨。雨が降ると砂浜が湿って硬くなるのでビーチクリーナーが生かせなくなる。晴れてくれてよかった」と胸をなで下ろす。「『裸足で歩ける砂浜を次世代へ』がこの活動の大きな目標。子どもたちが裸足で走り回るビーチが少しでも増えれば」とコメントする。50人のつなぎ集団は額に汗をかきながら黙々と作業を行い、三重県で所有する4台全てのATVが「仕上げ」の小さなゴミを拾い集めた。

 同28日には、鈴鹿市の千代崎海水浴場で同様のビーチクリーンを行う予定。

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