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「伊勢うどん大使」の石原壮一郎さん、「伊勢うどん」がきっかけで大学講師に

「伊勢うどん大使」の石原壮一郎さん、「伊勢うどん」がきっかけで大学講師に

「伊勢うどん大使」の石原壮一郎さん、「伊勢うどん」がきっかけで大学講師に

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 伊勢うどんを多くの人に知ってもらい食べてもらおうと活動するコラムニストの石原壮一郎さんがこの春から、皇學館大学(伊勢市神田久志本町)文学部の講師に抜てきされ「メディア論」を教えている。石原さんは「伊勢うどんはメディアだ」と学生たちに訴える。

【その他の画像】「伊勢うどん大使」石原壮一郎さん、皇學館大学で教鞭をとる

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 松阪市出身の石原さんは、月刊誌の編集者を経て1993年に「大人養成講座」(扶桑社)でデビュー。以来「大人の女養成講座」(同)、「大人力検定」(文春文庫)など「大人」をテーマにした著書を数多く出版。これまでの著書は約90冊。そのほか、新聞や雑誌、テレビなどあらゆるメディアでも活躍。現在、雑誌「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)で「大人の謎 ぶっちゃけ質問箱」、ウェブメディア「ハーバービジネスオンライン」「NEWSポストセブン」「All About News Dig」などでレギュラーコラムニストを務める。

 石原さんは2012年7月、伊勢うどんを応援するためフェイスブックページを活用し「伊勢うどん友の会」を立ち上げた。2013年8月、伊勢市麺類飲食業組合と三重県製麺協同組合公認の「伊勢うどん大使」に就任。同年9月には「食べるパワースポット『伊勢うどん』全国制覇への道」(扶桑社)を出版。「伊勢うどんが全国版の新聞でも大きく取り上げられたり、テレビやラジオでも話題になった。友の会の活動が、少しでもお役に立てたならうれしい」と石原さん。

 石原さんは「実は大学講師へのお誘いも、伊勢うどんが間を取り持ち、不思議なご縁で結ばれた(笑)」と打ち明ける。「2013年11月にパシフィコ横浜で開催された『第15回図書館総合展』に同大で図書館情報学を教える岡野裕行准教授が大学の研究室のブースを出展する際にお誘いいただき、(その時は強引なこじつけのような気もしましたが)図書館における地域資料としての食文化『伊勢うどん』についてお話をさせていただいた。その時の岡野先生との出会いがきっかけになった」と経緯を話す。

 岡野准教授によると「その翌年9月には、三重県立図書館の企画として『すばらしき伊勢うどんの世界』と題してまた石原さんにお話をしていただいた。ちょうどそんな時に『メディア論』を教える後任を探していた。あらゆるメディアと関わり、情報を発信し続ける石原さんなら適任。と推薦させていただき、すんなりと教授会の承認を得た」と話す。

 4月14日にあった最初の授業で石原さんは「あらゆるものがメディアである」と説明しながら、どんなものがメディアであるかを学生に挙げさせた。同21日の授業では「あなたは三重県出身で伊勢うどんが大好きです。香川県から遊びに来た友達に『せっかくやで伊勢うどん食べに行かへん。おいしいんやに』と言ったら、『えーっ、あれってコシがなくてまずいって、誰かがツイッターに書いとったよ』と露骨に気乗りしない反応が返ってきた。ここから読み取れる『メディアの問題点』は、次のうちどれ?」と『伊勢うどん』を絡ませた問題を学生たちに出し答えさせメディアについて考えさせていた。

 石原さんは「東京で知人に伊勢うどんを食べてもらうと『あっこれこれ。伊勢神宮参拝した後に食べたうどん…』と伊勢でのことを伊勢うどんを食べることで思い出させた。黒いたれに絡まった太くて腰のない柔らかいうどんが伊勢という情報を伝えたのだ。食とはそういうツールでもあり、特徴があればあるほどその力は増す。まさに伊勢うどんがメディアだと言及できるゆえん」と説明。

 石原さんは、前期「メディア論I」と後期「メディア論II」(毎週火曜13時~14時30分)を持つ。「伊勢うどんのように柔らかく優しく、おなかと心を満たすことができるような授業にしていきたい」と思いを伊勢うどんに絡ませる。

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