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三重県産「アオサ」の価格が「伊勢エビ」超える 平均落札価格1キロ1万2,308円に

三重で県産アオサの入札会 平均落札価格1キロ1万2,308円、伊勢エビ超える

三重で県産アオサの入札会 平均落札価格1キロ1万2,308円、伊勢エビ超える

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 「のり流通センター」(松阪市中央町)で2月16日、三重県漁業協同組合連合会による三重県産アオサノリの入札会が行われた。

【その他の画像】松阪市松ヶ崎産アオサが最高額1万5,210円

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 アオサ(アオサノリ)は、ヒトエグサと呼ばれる海藻の一種で、これまでは主に「青のり」や「ノリのつくだ煮」の原料として使われていたが、近年は、加工せずそのままサラダやみそ汁、天ぷらなどの食材として使う需要が急激に拡大している。用途は、これまでの加工品8割に対して2割だった「そのまま使うアオサ」が、近年4割に増えている。

 アオサの養殖は、12月の水温が26度以下になるころ種付けした養殖網を波静かな浅瀬にくいを打って張り育てる。1月から4月ごろまでに何度も摘み取り作業を行い、摘み取ったアオサを水または海水で洗い、天日や機械で乾燥させ、ゴミや異物を取り除いた後、出荷する。健康ブームを背景にビタミンAが、カットわかめや干しひじきに比べて多く含まれていることなど、その栄養成分にも注目が集まり、多くのメディアが取り上げ、需要拡大を後押ししている。生産量は三重県が全国1位で約70%を占める。

 この日の入札は今シーズン3回目で、松阪市から南伊勢町、紀北町の沿岸で取れたアオサ57トン445キロが出品され(熊本県天草漁協産1340キロ含む)、総額7億704万8,021円の商いが成立、過去最高の1キロあたり平均1万2,308円を付けた。松阪市松ヶ崎産には1万5,210円の最高額が付いた。

 1月19日の今シーズン1回目の入札では平均入札価格9,699円、2月2日の2回目では初の1万円台の1万885円の値が付いた。

 同連合会担当者は「昨年8回実施した入札会で、第1回が5,894円、第2回が4,841円、その後は前回の価格を毎回上回り、最終回で7,707円を付けるという状況でシーズンが終了した。これまでは気温が暖かくなり水温が上昇する後半の入札会で出品されるアオサの価格は、初摘みに比べて品質が落ちるため価格が上がることはなかった。国内の需要が増えているため品薄状態が続いて、とうとう1万円を超える価格になった」と説明する。

 別の担当者は「需要拡大の要因の一つには、全国で店舗展開する大手回転すしチェーンの『はま寿司』(東京都港区)や『スシロー』(大阪府吹田市)でアオサ入りのみそ汁を提供してくれていることから、その需要と、一般の人がアオサのことを知ることになり家庭での消費拡大につながったのでは」と分析する。

 現在、みえぎょれん販売(伊勢市朝熊町)では「青さのり100グラム」は1,436円、「青さのり25グラム」は443円で販売している。本日の平均入札価格の1万2,308円は、インターネットで小売り販売する伊勢エビ1キロの価格が1万円~1万5,000円とすると、アオサ1キロ当たりの小売価格は、それを超える価格となるだろう。

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