暮らす・働く 学ぶ・知る

伊勢・二見興玉神社の竜宮社で「郷中施」 津波の教訓いつまでも忘れないように

伊勢・二見興玉神社の竜宮社で「郷中施」 津波の教訓いつまでも忘れないように

伊勢・二見興玉神社の竜宮社で「郷中施」 津波の教訓いつまでも忘れないように

  • 297

  •  

 津波の教訓をいつまでも忘れないように、災害が起こらないようにと祈願し、津波による被災者を供養する神事「郷中施(ごじゅうせ)」が6月17日、二見興玉神社(伊勢市二見町)の境内社「竜宮社」で行われた。

【その他の画像】「キュウリ」「ナス」「ミル」「マツナ」を載せた木船

[広告]

 1792年、この地方を襲った大津波によって二見町江(え)地区の民家約20戸が流出し、残った家はわずか5、6軒という大災害があった。その時、同神社の氏子たちが施し合い助け合い、水難を克服したという。

 郷中施は、この教訓を後世に伝えるために、海の神・綿津見大神(わたつみのおおかみ)を祭る竜宮社において、被害のあった旧暦の5月15日に毎年欠かさず執り行われている。

 神饌(しんせん)には、子どもから大人まで理解できるように「(津波を)急に、見るな、待つな」の語呂合わせで「キュウリ(野菜)」「ナス(同)」「ミル(海草)」「マツナ(海浜性植物)」を木舟に載せて供える。祭典が終了すると竜宮社前の竜宮浜から巫女(みこ)2人が神饌を海に流した。

 祭典では、昭和天皇の御製「天地(あめつち)の 神にぞいのる朝なぎの 海のごとくに 波たたぬ世を」を拝誦(はいしょう)し、巫女が「浦安の舞」を舞った。前日まで強風で荒れた海だったが、この日は穏やかな陽気で波静かな一日だった。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース