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三重・斎宮歴史博物館で「大来皇女と壬申の乱」展 漫画家の里中満智子さん講演会も

三重・斎宮歴史博物館で「大来皇女と壬申の乱」展 漫画家の里中満智子さん講演会も

三重・斎宮歴史博物館で「大来皇女と壬申の乱」展 漫画家の里中満智子さん講演会も

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 伊勢神宮に仕えた皇女「斎王(さいおう・いつきのひめみこ)」とその居所「斎宮(さいくう・いつきのみや)」の歴史を紹介する三重県立の博物館「斎宮歴史博物館」(多気郡明和町、TEL 0596-52-3800)で10月5日~11月10日、「大来皇女(おおくのひめみこ)と壬申の乱」についての特別展を開催する。

【その他の画像】史跡斎宮跡197次発掘調査現場の地図

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 国史跡に指定されている斎宮跡は、古代から中世にかけて約660年間に渡り天皇に代わって伊勢神宮に使えた未婚の皇女「斎王」の宮殿があった場所とされる。遺跡の規模は東西約2キロ、南北約0.7キロ、総面積は約137ヘクタールでおよそ甲子園球場35個分に相当する。1970(昭和45)年から本格的な発掘調査が始まった。

 大来皇女は、壬申の乱に勝利した父・天武天皇により673 (天武2)年13歳の時に斎王として選ばれ、その翌年に伊勢の地に仕えた実質的最初の斎王とされる。686(朱鳥元)年に天武天皇が崩御すると弟の大津皇子が謀反の疑いをかけられ自害。天皇崩御までの14年間斎王として仕えた。万葉集には「神風の 伊勢の国にも あらましを いかにか来けむ 君もあらなくに」など大津皇子のことを詠んだ6首を残す。

 同館の開館30周年、史跡斎宮跡指定40周年を記念する同展では、大来皇女が仕えた飛鳥時代に焦点を当て、国宝の「崇福寺(すうふくじ)跡塔心礎納置(とうしんそのうち)舎利容器(しゃりようき)及び供養具(くようぐ)」(飛鳥時代 近江神宮蔵)や、文祢麻呂(ふみのねまろ)墓出土品墓誌・銅箱」(飛鳥時代 東京国立博物館蔵)など約200点の資料を展示する。

 10月20日には、特別展記念講演会・シンポジウム「東雲(しののめ)の時代の女性たち~大和・出雲・そして斎宮~」を開催。記念講演を持統天皇についての漫画「天上の虹」で大来皇女についても描く漫画家の里中満智子さんが講師を務め、その後のシンポジウムでもパネリストとして参加する。事前申し込み必要、募集期間9月10日~10月1日、定員125人。

 また、同展開催中に飛鳥時代に斎宮があったとされる史跡斎宮跡197次発掘調査現場の一般公開も行う。同館学芸普及課の岸田早苗さんは「197次発掘調査も同時に行っているので、飛鳥時代の貴重な資料が出土することも期待している。第40代天武天皇の皇后の第41代持統天皇のことを描いた里中先生の漫画『天上の虹』の原画の複製25点も展示する。『天上の虹』の中でも大来皇女のことが何度も登場する。多くの人に大来皇女のことを知っていただく機会になれば」と話す。

 開館時間は9時30分~17時。休館日は、月曜、期間中の休館日は10月7日、15日、21日、28日、11月5日。入館料は、一般=400円、大学生=260円、高校生以下=無料。

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