伊勢のうなぎ店、庭園のある新店舗へ-メニューから「ひまつぶし丼」外す

伊勢のうなぎ店「川十」、「ひまつぶし丼」メニューから外し庭園のある新店舗へ

伊勢のうなぎ店「川十」、「ひまつぶし丼」メニューから外し庭園のある新店舗へ

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 春の宮川堤の桜、夏の宮川神宮奉納花火とともに43年間営業を続けたウナギ専門店「川十」が5月、伊勢市の静かな郊外に移転した。

「川十」のうな重「松」はうなぎ一匹を使用。

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 新店舗(伊勢市津村町、TEL 0120-28-0006)は、創業者の先々代が郊外でうなぎを飼おうと購入していた土地に、今から23年前に先代が「いつかはここで店を――」と思い建てた純和風数奇屋作りの家。一級建築士でもあった先代がいつでも簡単に店舗にできるようにと考え設計してあったものを、これまで住居として使っていた。昨年11月に旧店舗の営業許可書の更新が必要となったのをきっかけに改装し店舗にした。

 3代目になる店主の花井秀明さんは「店舗スペースは玄関を入ったすぐの部屋で、ワンフロアを座敷席、カウンター席、テーブル席(合計32席)の3層に配置し、『和モダン』なイメージで、誰にでも落ち着いて食事ができるように考えた。中庭を望む大きな窓には格子窓をつけ、さらに落ち着いた雰囲気を演出した」と話す。

 旧店舗では「ひつまぶし」を友人が「ひまつぶし」と間違えたことから「ひまつぶし丼」として(しゃれ半分で)提供。店舗の壁に「ひまつぶし」と書いた看板を出したところ、ブログなどでも話題を集めていた。

 三河一色町産の新鮮なウナギをその日の朝さばき、注文と同時に丁寧に焼く。たれは先代から受け継いだもので、作り方は秀明さんしか知らない。秀明さんの妻で女将の妙美さんは「新しくオープンしてから米は近所の地元産のものを使用していたが、注文が増え契約農家からの米が無くなってしまって、地元の米穀店に三重県産の米をブレンドして仕入れるようになった。毎回米は、必ず最初に試しに炊いて先代の妻・大女将に確認してもらいOKの出たものだけを客に提供する」と話す。

 「『ひまつぶし丼』はこちらでは提供する予定はない。焼きたてをおいしく食べていただけるように出前をやめ、60席あった客席も32席に減らした。宣伝もしないでのんびりと家族でやっていければと思っていたが、これまでひいきにしてくれた客からの紹介で土日には行列ができるようになってしまった(苦笑)。ゆっくりと落ち着いて食べていただけるように店舗を移転したのに、慌ただしくゆっくりしていただけないので申し訳ない。平日なら比較的待たずに食べていただけると思う」(秀明さん)と苦笑い気味。

 メニューは、「うな重」(梅=1,050円、竹=1,400円、松=1,800円、特上=2,500円)、「ひつまぶし」(1,700円)など。営業時間は11時~14時、16時30分~19時30分。火曜定休。

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