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伊勢神宮外宮特設舞台で「にっぽん文楽」上演 史上初の「バリアフリー文楽」

伊勢神宮外宮特設舞台で「にっぽん文楽」上演 史上初の「バリアフリー文楽」

伊勢神宮外宮特設舞台で「にっぽん文楽」上演 史上初の「バリアフリー文楽」

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 神宮奉納公演「にっぽん文楽」が3月11日~14日、伊勢神宮外宮(げくう)北御門に設置した特設舞台で行われている。

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 人形浄瑠璃「文楽」の価値や魅力を多くの人に知ってもらおうと2014年、日本財団(東京都港区)が立ち上げ実行する「にっぽん文楽」プロジェクト。2015年の春に東京六本木ヒルズを皮切りに、大阪・難波宮、東京・浅草寺で開催、今回が4回目の公演となる。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年まで全国各地を巡演する予定。

 特設舞台は、奈良県吉野から切り出したヒノキを使い、金の飾り金具などを施した幅約19.7メートル、高さ約6.7メートルの移動式組み立て舞台。木綿の生地に藍で「にっぽん文楽」の紋を染めた幔幕(まんまく)が客席全体を取り囲む。

 神宮奉納公演の演目は「二人三番叟(ににんさんばそう)」と「義経千本桜 道行初音旅」。総合プロデューサーは横浜能楽堂(神奈川県横浜市)館長などを務める中村雅之さん、太夫(たゆう)は、4月に六代豊竹呂太夫(とよたけろたゆう)を襲名する豊竹英太夫(はなふさだゆう)さん、三味線は鶴澤清介さん、人形は桐竹勘十郎さんらが顔をそろえる。

 史上初の「バリアフリー文楽」となる会場には、イヤホンガイド、点字チラシやパンフレット、字幕用タブレット端末を用意、車いすでの入場や付添人も認める。演目の間の「文楽解説」には手話による解説も付けた。聴覚が不自由な人はタブレットと手話を見ながら文楽を楽しんでいた。

 ICTを活用し、チャレンジドの自立と社会参画、就労の促進や雇用の創出を目的に活動し現在、三重県の政策アドバイザーを務め、北川県政時代から関わり三重県は第二の故郷だという社会福祉法人プロップ・ステーション(兵庫県神戸市)の竹中ナミ理事長は初日に鑑賞。「横浜能楽堂の館長として長年にわたり『バリアフリー能』に取り組んできた中村さんが、『バリアフリー文楽』を伊勢神宮に奉納するという挑戦に敬意を表したい。タブレットを借りて鑑賞させてもらったが、聴覚障がいの有無にかかわらず(歌舞伎座のタブレット同様)内容の理解にとても役立つことを実感した。古典文化の『敷居を下げる』ためにも、もっと導入が広がればいいなと率直に感じた。どんな人でも一緒に楽しめるユニバーサルな鑑賞会の、ますますの発展に期待したい」と話す。

 初日は2公演で約650人が文楽を楽しんだ。

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