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伊勢に初の女性宮司-「あこねさん」で親しまれている水の神様「茜社」

伊勢に初の美人宮司-「あこねさん」で親しまれている水の神様「茜社」

伊勢に初の美人宮司-「あこねさん」で親しまれている水の神様「茜社」

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 伊勢神宮外宮の勾玉池のほとりに立つ「茜社(あこねやしろ)」(伊勢市豊川町)の宮司が10月1日付けで、女性の鈴木瑞穂さん(50)になった。伊勢市の神社内では初の女性宮司となる。

茜社の宮司となった鈴木瑞穂さん

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  伊勢の人からは「あこねさん」と親しまれる「茜社」は、もともとは外宮(豊受大神宮)の摂社だったが、明治初期に神宮から切り離され正式に1952(昭和27)年に宗教法人格を取得し完全に独立。その後、豊川町、旭町、藤里町の住民らの氏神として信仰される。

 主祭神は「天牟羅雲命(あまのむらくものみこと)」と「蛭子命(ひるこのみこと)」。天牟羅雲命は天上から水を持ち帰ったとされる水(飲み水)の神様。蛭子命は、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと)との間に生まれた神。右手に釣り竿を持ち、左手に鯛を抱える七福神の一人「恵比寿」神と習合・同一視される。そのほか境内社として、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祭る「豊川茜稲荷神社」、学問の神様・菅原道真を祭る伊勢唯一の「天神社」がある。

 鈴木さんは、1993年に神職となり、1995年6月から茜社の禰宜(ねぎ)に。前宮司の藤本昭さんは鈴木さんの父。宮司就任にあたり鈴木さんは「宮司の仕事はまず、神殿の扉を開くこと。実際に宮司になってみて神との関わりを深く受け止めるようになった。これまで宮司の代わりとしてさせていただいていたが、扉を開ける行為にも重責を感じる」と話す。

 「神に感謝し、自分の思いを手で書いてもらおうと4月から、『ねがい箱』を設置し『ねがい袋』を用意した。一番に願いを入れてくれた人が東北の人だった。復興への願いを神に届けた。社務所の一部を一般に開放し、庭園を眺めくつろいでもらえるように現在、部屋を改装している。11月には休んでいただけるようになる」と新しいことにも積極的に行動する。「神様が一番喜ばれることは、人々の笑顔が絶えない賑わい。たくさんの人に参拝してもらえるような神社を目指したい。外宮のすぐ隣なので気軽に立ち寄っていただければ」とも。

 神社本庁(東京都渋谷区)によると、宗教法人で同庁に登録する全国の神社の男性宮司は9,829人、女性宮司は645人(2011年11月末時点)。三重県神社庁(津市鳥居町)によると、県内の女性宮司は22人。うち広域伊勢志摩圏内には、多気郡に2人「宇爾櫻(うにさくら)神社」(明和町大字有爾中)、「相鹿上(おおかがみ)神社」(多気町相可)、度会郡に1人「八柱神社」(度会郡南伊勢町古和浦)、鳥羽市に1人「八幡神社」(鳥羽市桃取町)、計4人が活躍するが、伊勢市と志摩市にはいないため、鈴木さんは伊勢市初の女性宮司となった(今年5月末時点)。

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