「またもや餌食べず」1432日間絶食中の深海生物-鳥羽水族館のダイオウグソクムシ

1432日間絶食記録更新中の鳥羽水族館のダイオウグソクムシに餌を与える森滝飼育員

1432日間絶食記録更新中の鳥羽水族館のダイオウグソクムシに餌を与える森滝飼育員

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 鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)で飼育展示中の「ダイオウグソクムシ」が12月4日、月に一度の食事タイムにも関わらず、またもや餌を食べずに絶食を続けている。

もうすぐ4年絶食中の鳥羽水族館のダイオウグソクムシ

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 同館のダイオウグソクムシは現在、2007年9月9日に入館した「No.1」と今年5番目に入館した「No.5」の2個体を飼育展示。そのうちの「No.1」は、2009年1月2日に約50グラムのアジ1匹を食べて以来、今日まで絶食記録を更新し続けている。

 この日、担当の飼育員・飼育研究部の森滝丈也さんが生のサンマ1匹とツバス(ブリの子ども)2切れを準備、13時10分に水槽の中にサンマを入れた。森滝さんは固唾(かたず)を飲んで見守ったが、今回も前回(11月5日)同様に空振りに終わった。あきらめきれない森滝さんはどうにか食べさせようと「No.1」の口元にサンマを押し付けてみたり、切れ目を入れて食べやすくしてみたりしたが、餌をまたいで見向きもせず、結局今回も「No.1」の食指を動かすことができなかった。

 森滝さんは「今回も食べませんでした(涙)」と複雑な様子。絶食記録ストップは、次回の餌やりまで持ち越された。

 世界最大のダンゴムシの仲間といわれるダイオウグソクムシは、節足動物門甲殻綱等脚目スナホリムシ科、等脚目の中で世界最大。200~1000メートルの深海に生息。7対の脚、尾部にとげ、堅い甲を持ち、エビやカニと同様に腹部にある腹肢を上下させ海中を遊泳する。

 同館のダイオウグソクムシは、しぐさが愛らしい同館の人気者「ラッコ」や国内でも数カ所でしか見ることができない「イロワケイルカ」、少しブームは過ぎたが今も根強い人気の「クリオネ」などがいる「ライバル」の多い「極地の海」コーナーの暗く小さな水槽の中で、今も目立つことなく静かに生き続けている。

 同館は、この日の餌やりの様子を動画配信サイト「YouTube」にアップした。

伊勢志摩経済新聞VOTE

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