志摩の「イケメン海女」、地域に溶け込み活力作る-今年の海女漁始まる

午前の漁を終えて港に着く杉山さん(右)と清水さん(左)。今では珍しい木船の伝馬船に乗る。

午前の漁を終えて港に着く杉山さん(右)と清水さん(左)。今では珍しい木船の伝馬船に乗る。

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 「海女(あま)」として今年で3年目を迎える志摩市在住の杉山裕介さんと清水健太さんが5月3日、同市阿児町甲賀地区の初漁に参加した。

「イケメン海女」の杉山さん(右)と清水さん(左)。

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 杉山さんは大阪出身で沖縄でダイビングインストラクターの経験もあり3年前、「海女」に憧れ志摩で海女を生業とするためにいくつかの漁業協同組合(漁協)に問い合わせた。当初地元出身者でない杉山さんを受け入れる準備ができていない各漁協からは許可を得られなかったが、唯一許可を下ろしてくれた漁協が現在の志摩の国漁協甲賀支所(旧甲賀漁協)。

 清水さんは地元でダイビングショップ「ダイブステーション35(サンゴ)」(阿児町甲賀、TEL 0599-43-3116)の次男として、三重県立水産高校を卒業。在学中にスキューバダイビングのインストラクターを取得、現在父親でオーナーの清水憲夫さんと共にショップを運営する。

 杉山さんと清水さんは、ショップが繁忙期の時には海女漁は休止し、ショップのインストラクターとして参加する。一方ショップが休みの時には海女漁に出かけ、アワビやサザエなどを捕る。この日は今年の海女漁の初出漁に当たり、2人も地元漁師から譲り受けた木船の伝馬船で午前と午後の2回出漁した。

 「今日が口開け(海女漁の解禁日)なので『げん担ぎ』の思いで絶対出漁しようと思っていた。昨年はあまり捕れなかったが今年はまずまず」と清水さん。2人が出漁から戻ると、「どれだけ捕ったか?」と、長老の海女たちが楽しそうに寄ってきた。港で2人はほかの同僚の海女たちからも人気がある。

 杉山さんは「海女を始める当初は戸惑いもあったが、今は地元の海女さんたちと同じ海女小屋で暖をとらせてもらうなど、仲良くさせてもらっている。地元の海女さんから学ぶべきことの方が多い」と海女の経験をダイビングの経験と重ねる。

 同僚の海女は「杉山さんら、若い人が入ってくれたおかげで場が明るくにぎやかになった。2人は地元でもイケメンで人気者」と話す。杉山さんは「自分たちの捕ったアワビがおいしく食べられ、またスキューバダイビングで志摩の魅力を感じて何度も来てもらえるように頑張りたい」と意欲を見せる。

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