今年8月にオープンしたフレンチレストラン「ココット山下」(伊勢市本町、TEL 0596-25-9910)が毎月1日の早朝にだけ提供している「朔日粥(ついたちがゆ)」の人気に火がついた。
「ココット山下」が毎月1日に提供する「朔日粥」、写真は10月撮影
同店は、「伊勢の街で人と人とのつながりを大切にし、楽しめるように。外宮前をにぎやかに」と願いを込めて、伊勢出身のオーナーシェフの山下由華さんがオープンした。料理好きの母親が作ってくれた料理を思い出し調理人になろうと決意した山下さんは、伊勢調理製菓専門学校(河崎)で学び、鳥羽国際ホテル(鳥羽市鳥羽)のフレンチシェフとして4年間修行した後、本場でフランス料理を学びたいと渡仏。
フランスではミシュラン1つ星の「イスーダン・ラ・コネット」「ビダール・ラ・ターブル・ド・フレール・イバルブール」、2つ星の「ルーアン・ジル」「サン・ボネ・ル・フロワ・オーベルジュ・クロ・デ・シーム」(現在は3つ星)で修行し、帰国後も日本の有名店で修行を重ねた後、伊勢神宮外宮前に店を構えた。
メニューは、「伊勢志摩ロイヤルポークのココット焼き」(2,000円)、「ななほ鶏のココット焼き」「シャラン産カモもも肉のコンフィ」(1,500円)、「牛タンの赤ワイン煮」(2,500円)などのココット料理が売り。ランチメニューの「前菜2種+スープ+ココット料理」(1,000円)はオープン以来人気を集めている。
9月1日早朝から始めた同店の「朔日粥」は、内宮前で人気の「朔日粥」に倣い、外宮の参詣者にも食べてもらえるようにと始めたもの。料金は600円で30食限定。12月で4回目を数える。回を重ねるごとに口コミで話題となり、時間内に提供できなくお断りすることもあるという。
伊勢の地では、毎月1日に伊勢神宮に参拝する「朔日参り(ついたちまいり)」の風習が今も残り、「朔日粥」は内宮前おはらい町周辺で営業する複数の飲食店が参詣者をねぎらおうと始めたもの。毎月1日の早朝には、長蛇の列ができる。
12月1日の「朔日粥」のメニューは、南瓜と3種のチーズのリゾット、牛スジの煮込み、焼き立てふわとろオムレツ。山下さんは「寒くなってきたので『朔日粥』で体を温めていただければ」と話す。
通常の営業時間は11時30分~14時、14時~16時30分(カフェタイム)、17時30分~21時。水曜、第1・3火曜定休(祝日の場合は営業)。毎月1日は(定休日に関係なく)6時~8時。