屋根がない開放感いっぱいの観光バス「オープントップバス」が今年の夏、伊勢のまちを走る。運行期間は7月16日から8月31日まで。
JTB中部、観光販売システムズ(愛知県名古屋市)、三重交通(津市)、日の丸リムジン(東京都文京区)の4社が「スカイバス伊勢・鳥羽まちづくり実行委員会」を結成。屋根のない観光バス(スカイバス)で周遊観光する旅行商品として協働で「美し国(うましくに)スカイバス」を企画、伊勢市内と鳥羽~伊勢神宮内宮を走るコースを運行する。
同企画は、目的地である観光地で楽しめる旅行商品として「着地型」旅行企画と呼ばれるもので、夏季シーズンの伊勢志摩を訪れる観光客や伊勢神宮を参拝する客らに対して、新たな旅の楽しみ方を提案する。「オープントップバス」による旅行企画は東海地区では初めて。
運行するのは、9時に鳥羽バスセンター(鳥羽市鳥羽)を出発し、9時50分~10時10分の間に伊勢神宮内宮に到着、16時に伊勢神宮内宮前を出発し、16時50分~17時10分に鳥羽バスセンターに到着する「鳥羽号」(運行時間50~70分)と、10時30分、11時30分、12時30分、13時30分、14時30分に伊勢神宮内宮を出発し、猿田彦神社前、外宮前、宇治山田駅、神宮徴古館を巡り、内宮に戻るコースを運行する「伊勢号」(運行時間40~50分)の2コース。内宮前の受付集合場所は観光販売システムズが運営する「美し国観光ステーション」(伊勢市宇治今在家、TEL 0596-24-3501)。
バスには、スカイバスコンシェルジュ(語り部)が同乗し、観光案内のほか地域の文化や習慣などを説明して乗客を楽しませる。コンシェルジュは、座席の最後尾に立ち、客と同じ目線で説明するのが通常の案内と違うところ。座席は自由で、雨天時はカッパを貸し出す。
使用するバスは、日の丸リムジンが所有するドイツ・ネオプラン社製スペースライナー(50人乗り)を改造し、屋根のないカブリオレタイプに変更、シートも革張りで防水加工を施した。同社スカイバス担当の海老名信人さんは「普通の観光バスと比べ、視界が全く違うので見るもの全てが新鮮に映る。木々の下を通過することや信号機を見上げることでさえ新鮮で感動してもらえるはず」と説明する。同社は現在、国内に10台のスカイバスを所有し、東京駅丸の内南口から出発する4コースの東京周遊バスなどを運行。年間18万人が利用する。中でもスカイツリーを巡るコースは特に人気が高いという。
料金は「伊勢号」「鳥羽号」共に、大人=1,200円、子ども(4歳以上)=600円。乗車券は、「美し国ステーション」とJTBほか大手旅行代理店の店頭、大手コンビニ、インターネットで販売する。