三重県は8月28日、タブレットPCやスマートフォンを使ったアプリケーション「伊勢ぶらり」の無料ダウンロードを開始した。
iPhone、iPadやAndroid搭載端末で利用できる同アプリは、伊勢周辺の古地図や鳥瞰(ちょうかん)図などをGoogleMapsと連動させ、スマホなどのGPS機能を使い古地図上に現在地を表示できる「まち歩きアプリ」。「過去と現在を見比べながらまち歩きや歴史文化を知ることができる」(担当者)という。
使用方法は、スマホなどで同アプリをダウンロードしアプリを開き、地図リストから好みの地図を選択すると、昔の伊勢周辺の地図が画面に現れる。GPS機能を使うことで、現在は存在しない世古(伊勢弁で「路地」)や建造物など、「今」と対比することができる。そのほか、画面上のアイコンを選択すると、昔の絵はがき33枚や文化資産、施設情報など158カ所の概要をポップアップで紹介する機能も付く。
収録する古地図は、三重県所蔵の1861年「伊勢國細見図」、1919(大正8)年「初三郎参宮要覧伊勢名所図絵」、皇學館大学館史編さん室所蔵の1917(大正6)年「實地踏測 参宮案内地圖」、個人蔵1940(昭和15)年「伊勢神宮案内圖」の4枚。伊勢市教育委員会提供の2012年最新のイラストマップ「伊勢まるごと博物館絵図」も見ることができる。
同アプリは、三重県環境生活部文化振興課が県所有の歴史的資料などを有効活用しようと、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 連想情報学研究開発センター(東京都千代田区)との共同研究事業として、皇學館大学(伊勢市神田久志本町)の教職員や学生、伊勢市教育委員会と連携し、ATR Creative(京都府精華町)に依頼し完成させた。
同課の匹田さんは「同アプリをダウンロードすれば、古い地図を持ち歩くことが可能となる。より一層まち歩きが楽しくなるのでは。新たな発見があるかも」と話す。「ほかの地域でも展開可能か、可能性を探りたい」とも。