真珠を育むアコヤ貝を供養し感謝する「真珠祭」が10月22日、真珠いかだ浮かぶ英虞湾の中央に位置する賢島(志摩市阿児町神明)で開催された。
今年で62回を数えた同祭は、長崎、熊本、愛媛など主要真珠養殖生産地の生産者や、東京や大阪、神戸などで真珠を加工、販売する業者など真珠関係者が毎年一堂に集う。
英虞湾が一望できる賢島の丘の上にある円山公園の真珠供養塔前で供養祭が行われ、その後大きなアコヤ貝をかたどった模型が載った台船から、鈴木英敬三重県知事や大口秀和志摩市長、現役の女子大生で海女の中川静香さんら3人のミス伊勢志摩らが10万個以上(15貫=56キロ)の真珠を一斉に海にまき、祭りを盛り上げた。
会場周辺では、「あこや汁」の振る舞いや、代々木高校(同)の生徒らによる焼きそばや焼き鳥、同校オリジナル「パールバーガー」などを販売した。志摩マリンランド(同)の特設ステージでは、ご当地アイドル「ジュリアス」のパフォーマンスライブや真珠製品が当たる景品付きの餅まきなどがあった。
神明真珠養殖漁業協同組合の代表理事組合長を務める坂口楠弘さんは「景気の低迷や昨年の津波の影響などが要因で、(真珠養殖業を)廃業する事業者も後を絶たないが、中国への輸出は伸び続けているなど需要がないわけではない」と説明。「ミス伊勢志摩の中川さんが、現役の海女として活躍し注目されている。中川さんのような若い女性に真珠を着けてもらえるように取り組んでいきたい」と意欲を見せる。