鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)で飼育展示中の「ダイオウグソクムシ」が12月4日、月に一度の食事タイムにも関わらず、またもや餌を食べずに絶食を続けている。
同館のダイオウグソクムシは現在、2007年9月9日に入館した「No.1」と今年5番目に入館した「No.5」の2個体を飼育展示。そのうちの「No.1」は、2009年1月2日に約50グラムのアジ1匹を食べて以来、今日まで絶食記録を更新し続けている。
この日、担当の飼育員・飼育研究部の森滝丈也さんが生のサンマ1匹とツバス(ブリの子ども)2切れを準備、13時10分に水槽の中にサンマを入れた。森滝さんは固唾(かたず)を飲んで見守ったが、今回も前回(11月5日)同様に空振りに終わった。あきらめきれない森滝さんはどうにか食べさせようと「No.1」の口元にサンマを押し付けてみたり、切れ目を入れて食べやすくしてみたりしたが、餌をまたいで見向きもせず、結局今回も「No.1」の食指を動かすことができなかった。
森滝さんは「今回も食べませんでした(涙)」と複雑な様子。絶食記録ストップは、次回の餌やりまで持ち越された。
世界最大のダンゴムシの仲間といわれるダイオウグソクムシは、節足動物門甲殻綱等脚目スナホリムシ科、等脚目の中で世界最大。200~1000メートルの深海に生息。7対の脚、尾部にとげ、堅い甲を持ち、エビやカニと同様に腹部にある腹肢を上下させ海中を遊泳する。
同館のダイオウグソクムシは、しぐさが愛らしい同館の人気者「ラッコ」や国内でも数カ所でしか見ることができない「イロワケイルカ」、少しブームは過ぎたが今も根強い人気の「クリオネ」などがいる「ライバル」の多い「極地の海」コーナーの暗く小さな水槽の中で、今も目立つことなく静かに生き続けている。
同館は、この日の餌やりの様子を動画配信サイト「YouTube」にアップした。