鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-2555)で12月27日、年末恒例の大掃除が行われた。この日は、トドやアザラシなどが泳ぐ「海獣の王国」の水量約650トン、深さ約4.3メートルの水槽の水を抜き飼育員8人が底にたまった汚れをデッキブラシや高圧洗浄機などを使ってきれいに洗い落とした。
片手だけで洗える水槽やスキューバを背負ってダイバーが潜ってブラッシングする水槽など大小さまざまな水槽の一つ一つを順次きれいに掃除している同館。26日はフンボルトペンギン50羽が生活するペンギン水槽やジュゴンの水槽などの大掃除が行われた。
「海獣の王国」の大掃除は、トドの「キンタ」、カリフォルニアアシカの「ビート」、ハイイロアザラシの「バルト」「ポポ」「リト」「サンゴ」、ミナミアフリカオットセイの「ドン」を水槽に残したまま行うため、飼育員は彼らを追いやりながら、いなくなった隙を見てデッキブラシでゴシゴシするが、何も考えずに好き放題の「キンタ」が縦横無尽に動き回って言うことを聞いてくれず、なかなか掃除がはかどらない。「バルト」「ポポ」たちも遊んでほしくて飼育員たちにいたずらをする。
この日は「キンタ」の体重測定も同時に行われ、なかなか測定板の上に乗ってくれない「キンタ」を飼育員総出で、アジなどで釣りながらどうにか計測させた。結果は597キロ。昨年の520キロから成人男性1人分に当たる77キロが増加した。
その後も「キンタ」は自由に動き回り、言うことを聞かず飼育員が怒ると、逃げ出そうと高さ約5メートルの壁をよじ登り水槽の上にエスケープ。水槽の上を掃除していた飼育員はまさか登ってくるとは思わず、たじろいでいた。きれいになった水槽に水が入れられると、「住人たち」は再び雄たけびを上げながら悠々と泳ぎ回った。
来年3月20日までの開館時間は9時~16時30分(1月5日~3月20日の期間の毎週土曜と、1月13日、2月10日は17時まで営業時間延長)。入館料は、大人=2,400円、小人=1,200円、幼児(3歳以上)=600円。