伊勢神宮外宮(げくう)せんぐう館(伊勢市豊川町)の勾玉池奉納舞台で8月1日、故マイケル・ジャクソンも認めた日本人男性ヒップホップダンサーのKENTO MORI(ケント・モリ)さんによる舞の奉納があった。
1985年生まれのケントさんは、2006年に単身渡米。2008~2009年、マドンナのワールドツアー「Sticky & Sweet Tour」専属ダンサーとして世界中を周る。2009年4月15日、映画「THIS IS IT」の専属ダンサーとしてマイケル本人より選ばれたが、マドンナとの契約中だったためそれを断念。同年6月25日にマイケルが亡くなり、マイケル自らがセレクトした最後のダンサーとなってしまう。同年7月4日、マドンナのワールドツアーで、マイケル本人に扮(ふん)したダンスを披露し世界中で話題を集めた。2010年チャカ・カーン専属ダンサーを経て現在、クリス・ブラウンの専属ダンサーとして世界をまたに掛け活躍する。
この日ケントさんは、勾玉池の上に浮かぶようにして設置されている奉納舞台に白の衣装で登場。神宮の森、空、大地をつなぐかのようなゆっくりとした動きの舞が15分間無音のまま静かに行われた。次に吉田兄弟の曲「Cherry Blossoms In Winter(チェリー・ブロッサム・イン・ウィンター)」に合わせ感情豊かなオリジナルダンスが舞われた。ケントさんが次のダンスのために衣装を着替えると、会場から「もしかしてマイケル?」「うそ~、やばい」という歓声やつぶやきが漏れ、再び舞台にケントさんが登場するとマイケルのヒット曲「Billie Jean(ビリー・ジーン)」が流れ、大きな拍手と歓声が沸き起こった。
伊勢市の女性は「まさかマイケル・ジャクソンのムーンウオークがこの奉納舞台で見れるなんて…。マイケルが伊勢神宮に降臨した」と感極まりながらコメントを残した。昨年伊勢で開催されたケントさんのダンスワークショップに参加した多気町の女性は「感動!」と素直な気持ちを打ち明けた。
ケントさんは「伊勢神宮の舞台に立たせていただいたことは、マイケルと初めて出会ったときと同じくらいの感動だった。伊勢神宮と無縁だと思っていたこの自分が伊勢神宮の奉納舞台に立たせていただけるなんて、夢のようだった。この機会を与えて下さった多くの人たちに心から感謝している」と感想を漏らした。