プロ野球チームの東京巨人軍(巨人)エースとして活躍した伊勢出身の沢村栄治投手を記念した少年野球大会「第1回沢村栄治杯記念大会」が9月7日、伊勢の地で開催された。
少年野球チーム「伊勢志摩ボーイズ(伊勢ジャガーズ)」の創立20周年を機に開催される同大会は、同市出身の沢村投手への敬意を表し、平和だからこそ野球ができる喜びを味わい、将来全国から多くの野球チームが伊勢に集まる大会を目指して開催。「多くの人のおかげで開催することができた。偉大な投手・沢村栄治さんの名前を冠にした大会は伊勢の人にとっても悲願だった」と同チーム代表の石塚勇さん。
第1回大会には、県内、大阪、滋賀、福井、石川から14(選手合計280人)の日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)の中学生チームが参加。開会式は、県立宇治山田商業高校グラウンド(伊勢市黒瀬町)で行い、鈴木健一伊勢市長をはじめ、同じく伊勢出身で巨人の投手として活躍しその後投手コーチなどを歴任した中村稔さんらが出席した。
沢村栄治投手は、1917年2月1日生まれ、京都商業学校(現在京都学園高等学校)の投手として活躍。1934年に巨人に入団するも3度の徴兵を繰り返し、1944年12月2日屋久島沖西方東シナ海にて戦死する(享年27)。巨人は沢村の背番号14を永久欠番とし、毎年プロ野球最優秀投手に贈る「沢村栄治賞」を創設。3度のノーヒットノーランを達成するなど今でも名投手・伝説のピッチャーとして語り継がれている。
石塚さんは「伊勢市は、沢村投手のほかにも大阪タイガース(阪神)の西村幸生投手、中村稔投手など多くのプロ野球選手を輩出してきた。1993年の2月に創立した伊勢志摩ボーイズだが、当時硬式野球をするチームはなく(現在は県下に14チーム)、試合をしてもコールドゲームで敗戦ばかりだったが、今では4回全国大会に出場しベスト8まで行けるようになった。20周年を機に、沢村投手や西村投手が戦争のために野球ができなかった悔しさを思いながら、初心に帰って野球ができる喜びを再認識し、沢村投手生誕100年になる2017年には全国から32チームが集まる大きな大会にしていきたい」と意欲を見せる。
試合はトーナメント方式で、同グラウンドと美和ロックグランド(度会郡玉城町)の2会場で行われ7日8日の2日間で10試合をこなした。準決勝、決勝は14日に宇治山田商業高校グラウンドで行われる。
準決勝に勝ち進んだのは、東大阪中央ボーイズ(大阪府東大阪市)、伊勢志摩ボーイズ(伊勢市)、湖北ボーイズ(滋賀県長浜市)、桑員ボーイズ(いなべ市)の4チーム。8日の試合結果は以下の通り。東大阪中央ボーイズ対菰野ボーイズ=2対1、伊勢志摩ボーイズ対津南ボーイズ=8対0、湖北ボーイズ対津ボーイズ=3対2、桑員ボーイズ対伊勢ボーイズ=8対2。