「NIPPONを動かそう」と大きなテーマを掲げ2010年4月に創設された皇学館大学(伊勢市神田久志本町)現代日本社会学部の1期生が3月18日、晴れて卒業式を迎えた。
本年度の卒業生は、同学部86人のほか、文学部313人、教育学部256人、社会福祉学部2人の計657人と神道学専攻科26人、大学院16人を合わせた699人。真新しいスーツ姿の男子学生と華やかなはかま姿の女子学生らは早朝から伊勢神宮内宮(ないくう)へ御垣内参拝を行い、この日の学位記・修了証書授与式に臨んだ。
同学部は、現代日本の問題を解決できる人材を育成するために創設。日本の一線で活躍する経営者を招いた授業や日本のものづくりや伝統文化をマスターするカリキュラムなどが組まれ、学生たちは総合的で柔軟な思考能力を高め合った。
恩賜奨学賞を受賞し、4月から三重県庁(津市)への就職が決まった同学部の中林紗矢佳さんは「入学当初から県庁で働きたいと思っていたので、『NIPPONを動かそう』というテーマを持った学部が創設されたことを知り、自分が望むことを学べると思い入学を決めた。県庁に入るという目標もかない、とても充実した4年間だった。県民が主体的にまちづくりに参画できるように鼓舞できるような仕事に就きたい」と思いを語った。
同校の清水潔学長は「己に私がなく、至誠をもって一貫するならば、必ずや神の導きに通ずるはず。西郷隆盛が『人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くして人をとがめず、わが誠の足らざるを尋ぬべし』と説くのは同じ道理。いかなる職業職域に就こうとも、その職場になくてはならない『一隅を照らす』世の中に希望と勇気を与える人を目指してほしい」とあいさつした。
同学部の宮川泰夫学部長は「学生たちには『百の言葉よりも一つの実績』をモットーに教えてきた。抱いた志をどう成し遂げていくかを理解し、実践の場である社会にその志を持って羽ばたいていった。1期生たちのこれからの活躍に期待したい」と思いを込める。