近畿日本鉄道(以下、近鉄)が2013年に導入した観光列車「つどい」をリニューアルし、3月21日から運行を始めた。
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「つどい」は、同社の伊勢志摩地域活性化事業の一環として伊勢神宮参拝客が志摩地域まで周遊してもらえるようにと2013年10月5日に導入した特別列車。一般通勤車両だった2000系を改造した3両1編成の列車で、通常3両で375人(1両に125人)乗ることができる車両を80席だけに改造。土曜・休日を中心に伊勢市駅~賢島駅間を1日2往復する。
1両目(伊勢市方)には伊勢神宮宇治橋やおはらい町など、2両目にはタイや伊勢エビ、アワビ、フグなど、3両目(賢島方)には鳥羽志摩の観光地や海女などのイラストが描かれた外観は変わらず、今回は車内を3月16日~20日の期間でリニューアルした。
風が吹き抜け、足元までのガラス窓で流れる風景が楽しめる「風のあそびば」のある1両目に「フォトスポット」を、バーカウンター、物販テーブルなど「イベントスペース」のあった2両目に「ボールプール」「ハンモック」「駄菓子屋コーナー」を新たに設けた。前方の景色を見ながら運転操作を楽しめる「こども運転台」、沿線の景色を楽しめるように窓向きの客席がある3両目はそのまま。
「ボールプール」は幅2.6メートル、奥行き1.2メートル、深さ0.75メートルの箱型のプールに約3000個のボールを入れた。「ハンモック」は幅1.65メートル、奥行き2.1メートルのスペースに2脚を設置。「設置の高さも安全面を配慮し低くした。110キロの人が乗っても大丈夫」(担当者)という。「駄菓子屋コーナー」ではうまい棒やキャベツ太郎、わなげチョコなど約15種類の駄菓子を販売。志摩市とのタイアップで伊勢エビ汁やアオサのみそ汁など毎回実施していた振る舞いは3月29日の運行で終了する。
志摩市志摩町から孫と2人で乗車した女性は「この子が一度『つどい』に乗ったら気に入って、『乗りたい!乗りたい!』とせがまれたので(連れてきた)」と話す。
「つどい」導入からこれまでの期間の運行日は、2013年10月5日~2014年3月30日(計111日)、2014年4月5日~2015年3月15日(同119日)、「遷宮効果も手伝い初年度は良かったが、次年度はやや減った。2年間の乗車率は約50%。一度乗った子どもには人気でリピーターは多い」(担当者)と説明する。
運行日は、来年3月28日までの土曜・休日と8月10日~8月14日(10月31日は運休)。停車駅は、伊勢市、宇治山田、五十鈴川、鳥羽、鵜方、賢島。賢島駅発10時40分、13時40分、伊勢市駅発12時22分、15時14分。料金は、普通運賃のほかに観光列車料金として大人300円、子ども150円が必要。