伊勢志摩地方の秋の風物詩となる伊勢神宮の秋季神楽祭が9月21日~23日、伊勢神宮内宮の神苑に設置された舞台で行われている。
神楽祭は、天照大神(あまてらすおおみかみ)への神恩感謝と国民の安寧(あんねい)を願い、春の「昭和の日」をはさむ3日間と、秋の「秋分の日」をはさむ3日間にそれぞれ行われている。飛鳥・奈良時代から平安時代初めにかけて中国大陸や朝鮮半島から日本に伝わったとされる雅楽の調べに乗せ、舞人たちによる優雅な舞いが披露された。
2人の舞人が鉾(ほこ)を持ち、雅楽に合わせて舞台を清める「振鉾(えんぶ)」から始まり、続いて極楽に住むという鳥が舞い遊ぶ様子を表現した「迦陵頻(かりょうびん)」を、さらに仁和年間(885年~)に作られたという「仁和楽(にんならく)」を披露した。最後に舞いを伴わない平安時代中期に作曲されたという「長慶子(ちょうげいし)」で締めくくられた。仁和楽の演舞は20年ぶり。
神宮参拝に訪れ、偶然神楽祭の開催時間に神苑に居合わせた名古屋在住の夫婦は「1896年以来116年ぶりに9月22日が秋分の日となったという今日、偶然にも秋季神楽祭を見ることができとてもラッキーだった。ここだけ、時間が優雅に流れていた。日本人としての魂が少しだけよみがえった気がした」とコメントを残す。
23日の開催時間は11時~、14時~の2回。雨天の場合、参集殿奉納舞台で11時~の1回のみ行われる。