20年に一度社殿や神宝などを新しくする式年遷宮が進められている伊勢神宮125社で4月5日、「月読宮(つきよみのみや)」(伊勢市中村町)の境内に並んで建つ「伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)」と「伊佐奈彌宮(いざなみのみや)」で「檐付祭(のきつけさい)」がそれぞれ行われた。
イザナギ・イザナミ祭る伊勢神宮別宮で屋根にかやふく祭典「檐付祭」
「檐付祭」では、屋根にかやをふく作業開始に当たって作業の安全と作業がうまくいくように祈願する。かやぶき工2人が屋根に最初のかやを置く所作を行った。2月1日に檐付祭、3月20日にかやぶき作業完了の祭典「甍祭(いらかさい)」が行われほぼ完成している「月読宮」と「月読荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)」は、その隣に立つ。両宮の「甍祭」は、5月25日を予定する。
「伊佐奈岐宮」「伊佐奈彌宮」には同名の神様「イザナギ」「イザナミ」を祭る。日本神話「国生み」では、イザナギとイザナミが混沌(こんとん)とした大地を天沼矛(あめのぬぼこ)でかき混ぜると日本の国(島)ができたと紹介される。また、日本神話「神生み」では、火の神「カグツチ」を産んで焼け死んだ「イザナミ」を追って黄泉の国(死の国)へ探しに行った「イザナギ」が変わり果てた「イザナミ」の姿を見て驚き逃げ帰り、汚れを払うために体を洗った際に、左目を洗った時に生まれた神が「アマテラス」、右目を洗った時に生まれた神が「ツキヨミ」、鼻を洗った時に生まれた神が「スサノオ」だとされる。