伊勢出身の詩人・竹内浩三の作品や生き方を後世に残そうと活動する「竹内浩三を読む会」(代表=岡田美代子さん)が5月11日、赤門寺正寿院(伊勢市岩渕、TEL 0596-28-4540)で恒例の「竹内浩三生誕祭」を開催する。
竹内浩三の生誕90年を記念した「うたと朗読のつどい」(2011年)
竹内浩三は1921(大正10)年5月12日生まれ。宇治山田中学(現・宇治山田高校)卒業後、映画監督を志し、日本大芸術学部に進学するが、1942(昭和17)年に入隊、1945(昭和20)年4月9日、太平洋戦争フィリピンバギオ島で24歳の若さで戦死する。
松阪市出身で昨年4月に亡くなった歌手の田端義夫さんは竹内の作品「骨のうたう」に曲を付け、ステージで歌っていたという。ヒット曲「島唄」で知られるTHE BOOMの宮沢和史さんは著書「詞から詩へ」(河出書房新社)の中で宮沢賢治や中原中也らと共に竹内を紹介。自ら「骨のうたう」を朗読しCDに収めている。戦時中に詠んだ「骨のうたう」は、終戦後の今の日本を予言している。
当日は、1969(昭和44)年から4年間、子ども向けテレビ番組「ロンパールーム」(日本テレビ系列)の司会を務め、現在はプロのナレーターで作家・画家のよしだみどりさんによる朗読と語り、元高校教諭の田中伸一さんが作曲した竹内の「骨のうたう」と「三ツ星さん」を演奏する。
岡田さんは「竹内は5月の爽やかな季節が好きだった。多くの人に来ていただきたいと思い、この日は竹内の誕生日1日前になるが日曜日に開く。竹内浩三の世界に触れていただければ」と呼び掛ける。
開催時間は14時~16時。入場無料。問い合わせは同寺まで。