7月28日から2日間の日程で伊勢市を訪問していた皇太子ご一家が29日、宇治山田駅から近鉄の新型特急「しまかぜ」で東京へ向かわれた。雅子さまは鳥羽出身の御木本幸吉らが世界で初めて養殖に成功してできた宝石の一つ「真珠」のアクセサリーを身に着けていた。
ご一家は28日、近鉄名古屋駅から近鉄特急「アーバンライナー・ネクスト」に乗車し15時13分、同駅に到着、そのまま「せんぐう館」(豊川町)を視察した。雅子さまは白のスーツ姿に真珠のネックレスとイヤリングを着けて爽やかな笑顔を見せて沿道で手を振る国民に応えていた。
翌日には、昨年「遷御(せんぎょ)の儀」を終え社殿などが真新しくなった伊勢神宮外宮(げくう)と内宮(ないくう)を、皇太子さまはモーニング姿、雅子さまは前日よりも少し大きめの真珠のネックレス、ブローチ、イヤリングを身に着け薄い緑色のロングドレス姿、愛子さまは学習院女子中等科のセーラー服姿で両宮を参拝した。
日の丸の旗を手にご一家を一目見ようと内宮前で奉迎した70代の女性は「写真を撮ろうとデジカメを持っていたが、ご一家のお車が目の前を通った瞬間に雅子さまの美しいお姿が目に留まり、優しい瞳と光り輝く真珠に見とれてしまい、一枚もシャッターを押すことができなかった」と話す。
真珠について詳しく紹介する展示施設や真珠博物館、御木本幸吉記念館などがある観光施設「ミキモト真珠島」(鳥羽市鳥羽)広報担当者は「雅子さまが真珠を身に着けてくださっていてとてもうれしかった。皇太子さまは1969(昭和44)年11月11日にミキモト真珠島へお越しいただいたが、雅子さまと愛子さまはまだなので、次回は3人で足をお運びいただければ」と期待する。
全日程を終えたご一家は、16時21分発の「しまかぜ」に乗り、お戻りになった。「しまかぜ」は昨年3月、近鉄が伊勢神宮式年遷宮に合わせて導入した6両編成の新型観光特急。導入から現在までの乗車率は今でもほぼ100%を記録する。今年3月には天皇皇后両陛下が伊勢市を訪問する際に「お召し列車」として同車両が選ばれた。