伊勢志摩経済新聞の2014年年間PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、上半期ランキングでも1位となったエープリルフール(4月1日)に配信した、うそか本当か分からないような、でも本当の「伊勢の山が透けてスケスケに?」なっているニュースだった。
今後注目は志摩半島からでないと見ることができない「宙に浮く富士山」
ランキングは今年1月1日から12月26日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1. 伊勢の山が透けてスケスケになってしまった?(4/1)
2. 「ダズルフォーライフ」ラッパーCMDさん急死(5/30)
3. 「神業?」台風を回避する伊勢神宮の「遷御」(10/13)
4. 近鉄「しまかぜ」京都便特急券、2分で完売(9/11)
5. 十三夜に伊勢神宮「月読宮」で神様のお引っ越し(10/6)
6. ホンダがビーチクリーン活動するとこうなる?(6/23)
7. イザナギ・イザナミを祭る両宮で遷宮行事(3/16)
8. 伊勢エビが玄関先で「陸上脱皮」瞬間映像(12/2)
9. 「鈴鹿8耐」ゲリラ豪雨で波乱のスタート(7/27)
10. 伊勢神宮「神武天皇祭」神武天皇崩御日に祈り(4/4)
「スケスケの山」は、伊勢神宮の祭典や神饌に使う塩を作る「御塩浜」の近くで五十鈴川の河口沿いの道路(伊勢市二見町今一色)から、南東方向に見た伊勢志摩で最も高い「朝熊岳(あさまだけ)」(標高555メートル)とその手前に見える「昼川山・昼河山(ひるがやま)」(標高216.8メートル)のそれぞれの稜線(りょうせん)が重なり透けて見える現象のこと。
「スケスケの山」の存在を何度も確認していた伊勢志摩経済新聞の記者は、その事実だけではニュースとしてどうかと思い配信をためらっていたが、エープリルフールネタとして配信し(てしまっ)たところ、思いのほか話題を集めSNSなどでニュースが拡散されアクセス数を伸ばした。
2位は、志摩市浜島町出身の2人組ヒップホップグループ「DAZZLE 4 LIFE(ダズル・フォー・ライフ)=D4L」のラッパー・CMD(シーエムディー)さんが5月28日に急死した記事。悲しみを乗り越えトークボックス担当のT-TRIPPIN’(ティートリッピン)さんがCMDさんの遺志を受け継ぎ12月3日にベストCDアルバム「AMATERAS(アマテラス)」をリリースした。2人で制作中だったニューアルバムも近日中にリリース予定だという。
3位、5位、7位、10位は、全て伊勢神宮に関するニュース。昨年10月に内宮(ないくう)と外宮(げくう)で式年遷宮のクライマックス「遷御の儀」が執り行われ多くのメディアが話題にしたが、今年はメディアの露出もかなり少なくなった。しかしながら、いまだに伊勢神宮の遷宮行事は続いている。現在は別宮の遷宮が順次執り行われているが、神様のお引っ越しに当たる「遷御」当日、まさに神業としか言いようがないように台風の直撃を免れ、天皇陛下が定められた日時通りに遷御が執り行われているというもの。残すは、外宮の別宮3宮で遷御が執り行われる予定だが果たしてどうなるか…。3宮の遷御の儀の日程は、2015年1月28日「土宮」、2月28日「月夜見宮」、3月15日「風宮」。
4位は、近鉄が昨年3月に導入した新型観光特急「しまかぜ」の京都便運行開始のニュース。大阪と名古屋に続いて京都からの客をプレミアムシートで伊勢志摩まで連れてくる。全て賢島発着となり、賢島まで足を伸ばしてもらおうと、富裕層の客をターゲットにした宿泊プランも人気を集めている。
6位には、ホンダの社会貢献活動「ビーチクリーン」がホンダらしいというニュース。9位はホンダの創業者・本田宗一郎がモータースポーツの普及のために造った鈴鹿サーキットで毎年夏に開催される「鈴鹿8時間耐久ロードレース(通称=8耐)」開催のニュース。「ゲリラ豪雨で波乱のスタート」が注目を集めた。伊勢市出身のライダー稲垣誠さん所属チーム「Team・橋本組・アケノスピード」も見事完走を果たした。
8位に入ったニュースは、通常海水の中でする「脱皮」を陸上でしてしまった伊勢エビの話。旅館「魚勘」(鳥羽市相差町)の若おかみ、亀川詩乃さんがたまたま撮影したビデオをユーチューブに投稿したところ一気にアクセスが増加、あれよあれよと国内を飛び越え海外にまで話題を集めてしまった。亀川さんは「SNS、インターネットのすごさと怖さを同時に実感した」と感想を漏らしている。
惜しくもランクインを逃したが、今後注目される気になるニュースは「宙に浮く富士山(浮き富士)」。温かい海水と海水の上層の冷たい空気の温度差で起こる自然現象「浮島現象(蜃気楼の一種)」が富士山を宙に浮いたように見せる。調査すると、「浮き富士」が観測できる場所は、鳥羽市石鏡(いじか)町から志摩市大王崎までの志摩半島の海岸0メートル地点からで、全国でも唯一だという。昨シーズンは、今年1月6日に配信し、今シーズンになって12月19日と26日にくっきりと宙に浮いた富士山が観測できた。「浮き富士」を狙うために多くのカメラマンが伊勢志摩に来てくれることを期待する。