聴覚障がい者によるサーフィンの全国大会「第12回オールジャパンデフカップ」が5月30日、国府浜(志摩市阿児町)で開催された。
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同大会は、聴覚に障がいを持つサーファーたちで組織する日本デフサーフィン連盟(JDSA)主催による全国大会。昨年は千葉で開催された。この日は全国大会の前に日本サーフィン連盟(NSA)主催の「第36回NSAデフ支部予選」も行われ、全国から約40人がエントリーした。
JDSAは、聴覚障がい者(DEAFデフ)のサーフィンを統括、代表する団体として1978(昭和53)年に設立。「デフサーファー(聴覚障がいを持つサーファー)」の理解、環境保全などの活動、年間3~4回のサーフィン大会「JDSAサーキット」、NSAデフ支部の全日本選手権大会代表を決める「デフ支部予選」の開催などを行っている。
この日は、快晴で頭を越える高さの波がセットで入るほどのサーフィン日和。選手たちは手話でコミュニケーションを取りながら、海の中に入ると健常者と同等の腕前を見せながら試合を楽しんでいた。
デフサーファーは見た目には健常者と変わらないために、サーフィン中のトラブルも少なくはないという。例えばサーフィンの基本ルールである「ワンマン・ワンウエーブ」(人が乗っている波には、ほかの人は乗れない)に関するトラブルで、知らずにデフサーファーが後から波に乗ってしまった場合など注意されても聞こえず、優先者から強く怒られることがあるという。
JDSA理事長でNSAデフ支部長を務める京都出身の石山薫さんは、手話を交えながら「まだまだ社会環境は整備されていないので理解されない部分も多いが、聴覚障がいがあることを言い訳にしたくないのでサーフィンにおいても(健常者と)同じルールの中で行っている。JDSAとしては今後、ろうあ者への理解を深める活動を積極的に行っていきたい」と話す。