二見興玉神社(伊勢市二見町)夫婦岩(めおといわ)の大しめ縄の真ん中から6月11日、朝日に照らされた富士山のシルエットがくっきりと見えた。
【その他の画像】二見興玉神社の夫婦岩の真ん中から朝日と富士山
撮影に成功したのは、日本を愛し日中友好の力になればと活躍する中国遼寧省出身で鳥羽市在住の李相海(リ・シャンハイ)さん。李さんは現在、鳥羽シーサイドホテル(鳥羽市安楽島町)で国際担当として働く傍ら、休日には日本の祭りや風景を撮影する写真家として全国を飛び回る。昨年、日本と韓国の海女文化を伝える書籍「現代の海女」を出版した。
朝3時ごろ同神社境内に到着した李さんは、運試しと思って今年初めて夫婦岩へ。日の出時刻は4時40分。「緊張して待っていた。富士山と日の出が重なって現れたのは4時47分からの約2分間。見事だった。久しぶりに緊張感と感動に包まれた」と話す。
「伊勢志摩の良さはここにある。夫婦岩の真ん中から昇る朝日に富士山が重なる光景は、伊勢志摩ならではの絶景。今年も出会えて良かった」(李さん)とも。
同神社の海岸に浮かぶ夫婦岩の中央に朝日と富士山が重なるのは6月1日~7月初めごろの約30日間だけ。しかしながら梅雨時とも重なるため雨の日が多く、富士山はおろか朝日が出る確率も非常に低い。同神社から富士山までは直線距離で200キロ以上。
今年の夏至は6月21日。同神社では毎年夏至の日に夫婦岩の前の海に入ってみそぎを行う「夏至祭」を開催する。現在社務所を建て替え工事中で境内が狭くなっているため今年は一般参加者の募集は行っていない。
夏至の日前後には鹿島神宮(茨城県)から昇った朝日が、皇居、明治神宮(東京都)、富士山(静岡県)、豊川稲荷(愛知県)「二見夫婦岩」「朝熊岳」「伊勢神宮」、高野山(和歌山県)、高千穂(宮崎県)を結ぶ太陽の道を「レイライン」として、その太陽が昇る道の直線上に立つことでパワーを得ることができると言われている。