度会(わたらい)町で50年以上ステンレスの製造・加工を手掛ける「大河内(おおこうち)」(度会町棚橋、TEL 0596-62-0629)ショールームに、約5年掛けて作られたステンレス製の五葉松が飾られている。昨年のふるさと納税返礼品として作られたステンレス製の五葉松(小)は、100万円以上の納税者にすでに届けられている。
【その他の画像】500万円出されても売らないというステンレスの五葉松
ステンレス製の五葉松は、同社前社長・山本晴久さんが作成したもの。盆栽風に仕上げ幹や枝、細い針金のような松の葉全てがステンレスでできている。
現社長の山本真太朗さんは「ステンレス製の五葉松は全部で3つあり、その内の小さいサイズの1つを100万円以上の納税者の返礼品として提供した。実際には価格を付けられないものだが1点ならと思い提供したところ、出ていってしまった…」と話す。
同町役場総務課によると、ステンレス製の五葉松は、昨年12月8日に申し込みがあった人に同28日に発送されたという。
晴久さんは「仕事が暇なときにステンレス製品に無いものを作ってみようと挑戦したのがきっかけ。松竹梅ならおめでたいと思い作ったが、まだ梅は作っていない。返礼品で出ていった五葉松で作業時間約4カ月掛かっているのでは。松の葉は1万本以上を手でひねって完成させた」と当時を振り返る。
晴久さんは「この大きい方は仕事しながらで約5年間、これだけに専念したら丸1年は掛かるのでは。もう作りたくない。実際に500万円出すから欲しいと言われてもこれだけは売りたくない。お正月に飾るためにレンタルしたいと言われても断る」とも。