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鳥羽水族館がジュゴン入館30周年 記念の国際シンポや「ジュゴン語」の秘密も

鳥羽水族館がジュゴン入館30周年 記念の国際シンポや「ジュゴン語」の秘密も

鳥羽水族館がジュゴン入館30周年 記念の国際シンポや「ジュゴン語」の秘密も

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 国内で唯一飼育展示されている鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)の雌のジュゴン「セレナ」が入館30周年を迎えた。

【その他の画像】鳥羽水族館のジュゴンのセレナ

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 1986(昭和61)年にフィリピンで保護された子どものジュゴン「セレナ」が、翌1987(昭和62)年4月15日に同館へ搬入されてから昨年で30年となった。

 同館のジュゴン飼育歴は、1977(昭和52)年5月入館の雌の「じゅんこ」が約8年1カ月、同年9月入館の雄の「じゅん太郎」が17日。2011年2月10日に死んだ雄の「じゅんいち」は1979(昭和54)年9月入館で、長期飼育世界記録の31年152日(1万1475日)を達成した。

 フィリピンの現地の言葉で「人魚」を意味するという「セレナ」は、フィリピンのアキノ大統領(当時)から日比友好のシンボルとして寄贈され入館。入館当時は体長約150センチ、体重約66キロ、推定年齢1歳だった。

 同館は、1985(昭和60)年6月「じゅんこ」の死をきっかけに同年9月、フィリピンと共同で野生ジュゴンの生態調査に乗り出し、故片岡照男副館長をリーダーとする「ジュゴン・チーム」を結成。調査は航空機をチャーターした空からの目視調査、ダイバーによる海中調査、現地の人からの聞き込み調査など本格的なものだった。調査を続けていた1986(昭和61)年10月、台風が去った海に生後半年ほどの小さなジュゴンが母親からはぐれて泳いでいるのを発見。生後間もないジュゴンは母乳で育ち1頭では生きていけないため保護し、同スタッフらにより懸命に育てられた。その時の小さなジュゴンが、同館の水槽で泳ぐ「セレナ」だ。

 同館ではジュゴン来館30周年を記念して2月22日・23日の2日間、国内外で活躍する研究者たちによるジュゴンの研究などを話し合う「第2回ジュゴンに関する国際シンポジウム」を鳥羽国際ホテル(同)で開催する。

 そのほか、3月4日にはジュゴンの鳴き声から分かる「ジュゴン語」の秘密について京都大学フィールド科学教育研究センターの市川光太郎准教授が話す「ジュゴン講演会」、3月24日・25日には飼育担当者による「ジュゴンワークショップ」を開く。

 セレナ入館当時を知る若井嘉人副館長は「賢明に飼育した当時のことは今でも鮮明に覚えている。入館当時は鳴きっぱなしだった。セレナは娘以上の存在かも」と目を細める。「世界でもジュゴンを見ることができるのは、オーストラリアシドニーにある『シーライフシドニーアクアリウム』の雄雌2頭と当館のセレナだけ。セレナを見に来ていただければ」と呼び掛ける。

 同館は現在、ジュゴン講演会(定員100人)、ジュゴンワークショップ(各回定員20人)への参加者を募集している。応募ははがきで受け付ける。締め切りは開催日の1週間前。

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