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明和町「伊勢やまとごころの伝承館」で昔ながらの味噌作りから日本を感じる

明和町「伊勢やまとごころの伝承館」で昔ながらの味噌作りから日本を感じる

明和町「伊勢やまとごころの伝承館」で昔ながらの味噌作りから日本を感じる

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 日本の神話や伝統文化、大和心(やまとごころ)を伝える明和町の「伊勢やまとごころの伝承館『華雅庵(かがあん)』」(多気郡明和町)で2月23日から26日までの4日間、昔ながらの味噌作りが行われている。

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 日本各地で「洗顔洗心塾」や古事記に日本の生き方を学ぶ「華都子塾」を主催している今野華都子さんが2014年に開いた道場。斎宮(さいくう)跡地のすぐそばで、かつて伊勢神宮の祭典を奉仕する斎王(さいおう)がみそぎをしたとされる祓川(はらいがわ)の下流域に立つ民家で日本人の精神性について勉強会を行っている。

 味噌作りは毎年2月に行っている恒例行事。国産の大豆を茹で、沖縄の天然塩や昆布、麦と米の麹を調合し、これまで日本のどこでも実践されていた製法で作る。仕込んだ味噌は併設の蔵で1年間寝かせるため、毎年参加する人にとっては昨年仕込んだ味噌の完成を祝う時でもある。

 昨年初めて参加し今年で2回目の南伊勢町の山本晋子さんは「不安でドキドキだったが、開けた時にちゃんと出来ていて感動で涙が出た。こんなにうれしい思いになったのは初めて」と笑みを浮かべる。

 今年の仕込みには多気町で豆を生産し、豆料理などを提供する「せいわの里 まめや」(多気町丹生)の協力で多気町や周辺で作った三重県産の大豆約120キロを使い、全国から44人が参加した。

 今野さんは「当たり前のように日本のどこの家庭でも味噌作りが行われていたが、今日では作らなくなり、誰もがスーパーで買う時代になった。味噌作りは目に見えない麹菌の力を借りて発酵させ、1年の時間をかけてゆっくりと熟成させる。仕込みの段階で手を抜くとうまく行かなくなるからこそ、心を込めて一つ一つの作業を丁寧に行わなければならないことを学習する。日々の生活の中でも同じことが繰り返されていることを感じて、感謝を沸かせていきたい」と話す。

 「かつての日本人が当たり前としていた生活の中に『本物』があった。『本物』を知るということがとても大切で、その延長線上に『普通に健康であること』も当たり前にあった。味噌を作るという作業からも多くのことを学ぶことができる。大量生産大量消費の時代で忘れ去られようとしている日本に残る『見えないもの』を少しでもお伝えすることができれば」とも。

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