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志摩で「伊能忠敬展」 忠敬が観測した富士の場所、IT駆使し特定

志摩で「伊能忠敬展」 忠敬が観測した富士の場所、IT駆使し特定

志摩で「伊能忠敬展」 忠敬が観測した富士の場所、IT駆使し特定

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 無数の真珠いかだ浮かぶ英虞湾が一望できる展望台がリニューアルされたばかりの標高203メートルの横山の中腹にある横山ビジターセンター(志摩市阿児町)で現在、没200年を記念した「伊能忠敬展」が開催されている。

【その他の画像】横山ビジターセンターで「伊能忠敬展」

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 1745年生まれの忠敬は55歳の1800年から全国を測量して回る。第1次1800年~は東北・北海道南部を、第2次1801年~は関東・東北東部、第3次1802年~は東北西部、第4次1803年~東海・北陸、第5次1805年畿内・中国、第6次1808年~四国、第7次1809年~九州、第8次1811年~九州、第9次1815年~伊豆諸島(忠敬は不参加)、第10次1816年~江戸を測量し1818年没。死後1821年弟子らの手によって「大日本沿海輿地全図」を完成させた。

 同展は今年5月17日でちょうど忠敬没後200年となることを記念し、1805(文化2)年5月19日(旧4月21日)伊勢市小俣町から入り、伊勢、鳥羽、志摩の地をたどり、7月10日(旧6月14日)南伊勢町神前浦までの伊勢志摩地域の測量記録を基に忠敬の足跡を現代のグーグルマップや天体シミュレーションCGなどIT技術を駆使してわかりやすく検証している。

 担当の杉野友司さんは「忠敬の記した『測量日記』から検証。当時正確な地図作りに欠かせなかった富士山測量に注目。伊勢志摩での富士山の測量地は、伊勢市大湊、鳥羽市日和山、鳥羽市石鏡、志摩市国府白浜の4地点。同展では、富士山が観測できるまで何度も現地に行き撮影した忠敬が測量した地からの富士山の写真も併せて紹介する。忠敬の富士山測量の最西端の地は伊勢市大湊で、本土最南端の地は志摩市国府白浜であること、国府白浜での測量地について分かったことなどを紹介する」と説明する。

 杉野さんは「特に注目したいのは、忠敬の測量は当時の測量技術の他に天体測量を実施した初めての試みだったということ。伊勢志摩では1805年の『木星の衛星(イオ)の食』『皆既月食』の測量を試みている」とも。

 開館時間9時~16時30分。火曜定休。入館無料。8月31日まで。

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