鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽3、TEL 0599-25-2555)のアシカやアザラシたちが暮らす「海獣の王国」に2月4日、宮島水族館(広島県廿日市市)から引っ越してきたトドのカップルが仲間入りした。2頭は、体長約3メートル、体重512キロの巨体を持ちながら「怖がり屋」の「キュータロー」(10歳、雄)と、好奇心旺盛な「コマチ」(9歳、雌)。
「キンタ」から守ってもらおうと「キュータロー」に助けを求める「コマチ」。「キンタ」は「コマチ」にも興味を示している。
1月27日に同館へ到着したキュータローとコマチの入居は、2011年7月末完成を目指す宮島水族館のリニューアルに伴うもので、全国各地の水族館が連携し、飼育していた動物を一時預かるもの。預かり期間は2011年3月末までを予定。
キュータローとコマチの入居は、トドの「ロゼ」(5歳、雌)の恋物語をさらに複雑にしていく。恋物語は昨年1月にさかのぼる。「キンタ」(4歳、雄)が同館にやって来たのを知り、別々に暮らすキンタに恋こがれて流木を抱き枕にして何度も寂しい朝を迎えた。同2月8日にキンタと初対面。ロゼもキンタも恋に落ち、仲良く愛を育んでいた。同7月3日、「柚子(ゆず)」(2歳、雌)が「大分マリンパレス水族館うみたまご」(大分県大分市)からやって来た。その日から、ロゼと柚子の恋の火花が水槽の中で散ることに。複雑な三角関係の中に、新たにキュータローとコマチ夫婦も同居することになってしまった。
キュータローとコマチの入居を一番心配して見守っていたのは宮島水族館の浜村大助さん。「キュータローは憶病でおとなしいので大丈夫だと思っていたが、実際に同じ水槽に入れるまでは心配だった。コマチは好奇心旺盛なのですぐに環境に慣れると思っていた。2頭とも仲良くしてもらったようでホッとした」(浜村さん)。
同館飼育係の芦刈治将さんは「ロゼがかわいそう――どうなっていくんだろう?」と、しきりに「ロゼ」のことを心配している。
営業時間は9時~16時30分。入館料は、大人=2,400円、小人=1,200円。