スタッフが「ブドウ糖」を携帯するホテル、安乗灯台近くにオープン

スタッフが「ブドウ糖」を携帯するホテル、安乗灯台近くにオープン

スタッフが「ブドウ糖」を携帯するホテル、安乗灯台近くにオープン

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 接客係全員が「ブドウ糖」を携帯するホテル「セラピーリゾート伊勢志摩」(志摩市阿児町安乗、TEL 0120-68-1180)が7月17日、安乗灯台近くの太平洋が一望できる場所にオープンした。

太陽が水平線から顔を出す客室

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 同ホテルは、糖尿病をはじめとする生活習慣病にかかっている人などが安心して宿泊できる施設として開業。江川美晴さん、吉田健吾さん、原周世(ちかよ)さんの3人の管理栄養士が交代で常駐し、宿泊予約が入った時点から病気の症状や普段の食事内容などを聞き、伊勢志摩でとれた新鮮な食材を使いながらも、それぞれの体に合わせてカロリー計算したメニューを提供する。

 経営は、弁当の宅配サービスと療養食の配食サービスを主な業務として伊勢地域で展開するオオシマフードサービス(伊勢市神久6)。オープンのきっかけについて、大島誠鎮(せいじ)社長は「療養食の配食サービスの約8割は糖尿病にかかわるメニュー。これまでの客との会話の中から食事制限をしている家族が旅行や外食をすることに対して消極的になっていることを知り、家族が安心して利用できる施設を作りたいと考えていた。闘病生活をされている人こそ、旅に出て楽しい思い出を作り心の充実を図るべき。糖尿病をはじめとする生活習慣病の方に安心してくつろいでいただけるような施設を目指したい」と話す。「管理栄養士という資格取得はとても難しく、人の生死にもかかわる仕事にもかかわらず、日本では社会的地位がまだまだ低い。管理栄養士が表舞台に出て輝く職場になれば」とも。

 江川さんは「低カロリー、減塩のメニューはまずい、味がない――などのマイナスイメージを持たれている人が多いので、『とてもおいしくてしかもこんなに食べても大丈夫?』と言ってもらえるようなメニューでおもてなししたい。日常生活の食事メニューについても気軽にご相談していただけるように接したい」と意欲をみせる。

 接客スタッフは全員ポケットに「ブドウ糖」を携帯する。その理由を、江川さんは「糖尿病はインスリンの量が減少して高血糖状態が続く病気。空腹時に運動をすると急激に血糖が下がり低血糖になり体調が急変することがある。また血糖を下げるための飲み薬やインスリンが効き過ぎて低血糖になり気分が悪くなることもある。そのときの応急処置としてブドウ糖をなめさせると効果がある」と説明する。

 同ホテル総支配人の北井由友さんは「当ホテルは、水平線から出る朝日が部屋の正面や露天風呂から見ることができる。安乗灯台までも徒歩1分という立地。生活習慣病の心配のない人にもご満足いただけるはず」と自信をみせる。

 現在オープン記念宿泊プランとして、伊勢志摩産のアワビを使った特別会席コース1泊2食付きで1室2人利用=大人1万4,000円(通常価格1万6,000円)を用意する(8月31日まで) 。

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