志摩市観光協会(志摩市阿児町鵜方、TEL 0599-46-0570)が今年7月から挑んでいた世界最長222メートルの真珠のネックレスが10月22日、「真珠祭り」が開催される賢島の会場で完成し、ギネスブックレコードを塗り替えた(正式には222.68メートル)。
世界最長の222メートルの長さを達成した真珠のネックレス(アップ)
真珠のネックレスの世界最長記録は、(志摩市合併前の)旧阿児町観光協会などが1995年に108メートルの記録で初めてギネスに認定された。その後2006年に、愛媛県宇和島の真珠関係者らによって187.25メートルの記録が達成され「世界一」が塗り替えられていた。
今回の挑戦は、真珠養殖発祥の地「志摩」を世界に発信するためと、円高や株価低迷などによる不況の影響を受け真珠の消費が伸び悩む真珠業界を元気にするため、また真珠をはぐくむ環境維持の大切さを訴えるため、60回目を迎える「真珠祭り」に合わせて企画したもの。222メートルの長さの由来は、平成22年10月22日で、「22」の片方の「2」を裏返すとアコヤ貝の形に見えることにあやかった。
現場では、ギネス・ワールド・レコード本部(ロンドン)から派遣された公式認定員の石川佳織さん立ち会いの下、最後の1粒を神明真珠養殖漁業協同組合の三橋十九生組合長が針を通すと、会場が大きな喝采(かっさい)に包まれ真珠関係者らの顔が笑顔になった。会場にいた人たちは真珠のネックレスを見て「きれい~」「世界一、世界一」「誰が(首に)つけるんだろう?」など驚いていた。
真珠のネックレスの重さは約20.2キロ、個数2万7,750個、真珠のサイズ7.5~8.5ミリ。市民や観光客ら延べ2,584人の手によって完成した。真珠の玉は同組合が提供した。
昨日名古屋で開催中の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の「里海『SATOUMI』の生物多様性を守るための取り組み」に関するワークショップに参加した「志摩市里海創生プロジェクト」のリーダー、同市水産課課長の浜口邦夫さんは、「品質のいい真珠ができるのは、豊かな生態系が残っている英虞湾があるからこそ。いつまでもきれいな真珠が生まれるよう、今回の『世界一』が、真珠が生まれる里海の象徴となれば」と話す。