伊勢湾の湾口に位置する人口約3,000人弱の離島・答志島で水産加工を始め130年の「浜与本店」(鳥羽市答志町)が10月10日、伊勢神宮外宮前にシラス専門店「浜与本店外宮前店」(伊勢市本町、TEL 0596-63-8003)をオープンした。
答志島で200年余り続く網元が前身の同社、7代目のころ水産物の加工を開始、その当時は漁業をしながら取れた魚を加工し販売していたという。今の社長・浜崎與吉さんは10代目。現在は水産加工とその販売に専念し、同店は同社の加工品のアンテナショップとして、答志島で取れる新鮮なシラスをメーンに釜揚げやちりめん、つくだ煮などを販売する。店奥ではシラス料理などを提供するレストランも併設した。
シラスとは白子と書き、主にカタクチイワシなどの稚魚のことを言う。同社では豊富な漁場を持つ伊勢湾口で取れたシラスを「生しらす」「釜あげしらす」「黒ちりめん」と分け加工。「生しらす」は春と秋のシラス漁で水揚げしたてのシラスを独自の冷凍技術で鮮度を保ちながら即冷凍したもの、「釜あげしらす」は市場で競り落としたすぐを1時間以内にサッと釜揚げしたもの、「黒ちりめん」は釜揚げしたシラスを乾燥させたもので、漂白しない天然色のもの。3種類のシラスが味わえる「ちりめん三兄弟」(5,250円)を同店の開店記念商品として販売する。
同店店長の浜崎里恵さんは「お店の運営もようやく落ち着いてきたところ。オープンしてまもなく、地元の方に商品を購入していただいた時、『外宮前に来て(出店して)くれてありがとうね』『(お店を)長く続けて~ね』と声をかけていただいたことがとてもうれしかった。お店をオープンしてありがとうと言っていただけるなんて…」と開店後の感想を漏らす。
店先には、升に山盛りにした「黒ちりめん」(315円)や「釜あげしらす」(330円)の量り売り、店頭で毎日炊き上げる鳥羽産のカキのつくだ煮(冬季限定)、そのほか伊勢市朝熊町にあるHACCP認証取得の同社直営工場で作る加工品などが並ぶ。
店奥には、7テーブル30席の飲食を提供するスペースを設け、「生しらす丼」「釜あげしらす丼」「しらすかき揚げ丼」(各900円)、それぞれの丼に答志島産天然の刺身盛り合わせが付くセット(各1,200円)、1日30食限定8種類の料理が付く「浜与の八枡膳」(1,800円)、シラスを入れたご飯を魚のすり身で丸く包み油で揚げたオリジナルの「まんまるしらす揚げおにぎり2個」(600円)などを提供する。
「木曜日の15時30分ごろから答志島でその日に水揚げされた新鮮な魚介類を販売する『鮮魚市』を開催している。店頭に大漁旗があれば『鮮魚市』だと思って立ち寄っていただければ」(浜崎さん)とも。
営業時間は、販売店9時~17時、飲食店11時~14時30分。火曜(祝日の場合は翌日)定休。