「みんなで力をあわせれば何でもできる」、代々木高校1週間遅れの卒業式

志摩の代々木高校1週間遅れの卒業式。卒業生代表の城山勉さん

志摩の代々木高校1週間遅れの卒業式。卒業生代表の城山勉さん

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 代々木高校志摩賢島本校(志摩市阿児町神明)5回目の卒業式が3月18日、同校ホールで行われ、卒業生40人中28人が出席し卒業証書を受け取った。当初は12日に開催予定だったが東日本大震災の発生を受け予定を遅らせた。

代々木高校志摩賢島本校5回目の卒業式

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 同校は、国の構造改革特区制度を活用し「学校設置基準」の規制緩和を受け、元ホテルの建物を賃貸契約し2005年4月に開校した。不登校生や高校中退者の受け入れのほか、料理人コースや漁師コース、留学コース、スポーツコースなど、さまざまな生徒の思いに対応できるよう多様で柔軟な学習形態をとる広域通信制高校。

 同校の一色真司校長は「東日本大震災の避難所で被災した人たちが、みんなで助け合い命がけで頑張っている。一人で何かをやろうと思ってもできることは限られているが、みんなで力をあわせれば何でもできる」と訓辞を述べた。

 福岡県出身の城山勉さんは卒業生代表として「福岡から三重県で働いていたとき事故に遭い入院した。24時間体制の介護が必要なほどだったがそのおかげで良くなった。退院して自分に何ができるのか?と考えたとき人のために尽くすことができる介護の仕事を目指そうと思った。中卒では難しいので高校卒業資格の取れるこの学校を選んだ。ここで学んだことを社会で役立てたい」と言葉を残した。料理人コースで学んだ三浦康祐さんは、鳥羽市のホテルの厨房で仕事をしながら在学中に調理師免許も取得した。

 一色校長は「(巨大地震があったように)何が起こるかわからない。自分らしさを忘れず多様性を認め合い、大いに社会で活躍してほしい」と期待を込めた。

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