全米女子ゴルフ公式戦「ミズノクラシック 伊勢志摩」(11月4日~6日)の参加選手全員に、パールのアクセサリー(ピアスもしくはイヤリング)が今年も贈られた。これまでの大会優勝者が最終日にそのパールを着用してプレーした割合は75%となっている。
パールのプレゼントは、真円真珠発明100周年を迎えた2007年、日本真珠振興会(東京都中央区)の内部組織として発足した「真珠100年委員会」が、真珠のイメージアップとPRを兼ねて取り組む事業で、ファッショナブルな衣装でプレーする女子プロゴルフ選手たちの耳に注目したのが始まり。
同事業は、同大会がスタートした翌年の2007年から実施され、今年で5回目。2007年大会では最終日、7番ホールで奇跡のアルバトロスを出し優勝した上田選手の耳に、真珠のピアスが輝いていた。2008年と2010年の優勝者申ジエ選手(韓)の耳にも真珠が輝き、同事業を開始してからの着用率は75%と高い。
同委員会によると「2007年大会終了からの1年間で上田選手が着けたパールと同タイプのピアスとイヤリングは約500セット(1セット価格3万~5万円)売れた。売り上げに直接影響したのは『桃子景気』のその時だけだったが、優勝選手がクローズアップされてパールがメディアに露出される影響力は極めて大きい」と話す。
さらに今年は志摩市から提供されている真珠のネックレスを同委員会が仕入れ先業者と直接交渉し、チョーカータイプ(約42センチ、真珠のサイズ約8ミリ、価格80万円以上)からロングタイプ(約80センチ、真珠のサイズ約8.5~9ミリ、価格150万円)にグレードアップした。「これまでのチョーカータイプでは短くて表彰式で選手の首に着けてもらえないが、ロングタイプなら簡単に首にかけられる」(同委員会)と、さらなる戦略を企てる。
デフレ経済と急激な円高で国内需要はもとより、輸出用の真珠の動きも鈍い。真珠発祥の地=伊勢志摩で、国内はもちろん全米、世界のゴルフファンが注目し、テレビ放映される「ミズノクラシック伊勢志摩」が、閉塞(へいそく)感漂う真珠業界に風穴を開けることができるのだろうか。
初日の成績は、飯島茜、黄アルム(韓)、テレサ・ルー(台)選手が6アンダーで1位タイ、上田桃子選手が5アンダー4位、4アンダーでステイシー・ルイス、上原彩子選手ら7人が、3アンダーで申ジエ、服部真夕選手ら3人が追いかける。天候=晴れ、気温=22.9度、風向=南西、風速=0.6メートル、ギャラリー数=2,806人。