英虞湾の海底になぜヘドロがたまるのか――環境の改善に何が必要かを考える「英虞湾の再生を考えるシンポジウム2007」が2月10日、志摩市阿児アリーナ(志摩市阿児町神明)で開催された。主催は、三重県産業支援センター、英虞湾再生コンソーシアム。2001年から毎年開催された同シンポジウムは今回で最後となる7回目を迎え、この日は210人が参加した。
「英虞湾の再生を考えるシンポジウムの歩み」(同コンソーシアム、原城誠也さん)、「自然再生協議会を通じた自然再生への取り組み」(環境省自然環境局自然環境計画課、難波和聡さん)の基調講演に続き、「英虞湾再生プロジェクト」の研究報告として、「全体報告」(三重県地域結集型共同研究事業、加藤忠哉さん)、「新しい里海の創生」(三重大学生物資源学部、前川行幸教授)、「英虞湾の環境動態予測」(四日市大学環境情報学部、千葉賢さん)が発表された。
パネルディスカッションでは、三重大学生物資源学部の前川教授や志摩市立立神小学校の里中校長ら5人が、「英虞湾自然再生協議会の設立に向けて」と題して、子どもへの環境教育、地域住民の意識や金銭面などについて意見を交わした。同協議会の設立は、自然再生に関する施策を総合的に推進し、自然との共生、地球環境の保全を目的として2003年1月に施行された「自然再生推進法」を基に設立を検討していくもの。
三重大学生物資源学部の前川教授は「地域の人たちに英虞湾を良くしたいという意識を持ってほしい。その上で全面的に協力していきたい」と話した。