昨年3月、鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)で「水中入社式」を行い劇的なデビューを飾った飼育研究部の大原里嘉(りか)さんが1月15日、念願の「アシカショーのお姉さん」として初舞台を踏んだ。
ダイビングジャンプを成功させる鳥羽水族館・水中入社の大原さんとオットちゃん
大原さんの初舞台は、10時30分からの「ライブパフォーマンス」での約5分間。日曜と重なったこの日の客席は満員。公演終了後、大原さんは「緊張して、初めのあいさつで声が裏返った」と話す。
ショーは、倒立やダイビング、サッカーボールでドリブル・シュートなど7種目。バディを組むのは舞台経験18年のベテランアシカの「オット」(アシカの仲間でミナミアフリカオットセイの雌)。余裕で演じるベテランアシカと緊張する新人トレーナーの「絶妙な間」に客席も大いに沸いた。
これまで魚類や海獣類など飼育全般の研修を行ってきた大原さんが正式にアシカショーチームに配属されたのは昨年8月。「水が冷たいのは承知の上。辛いと思ったことは一度もないが、アシカが指示通りに言うことを聞いてくれなくて、できない自分に悔しい思いを何度も繰り返した」とこれまでの苦労を打ち明ける。
同館広報担当の堀本佳奈さんは「実はオットちゃん、2009年12月に現役を退き隠居生活を送っていた。大原さんのデビューに合わせてカンバックしてくれた」と漏らす。大原さんは「見ているだけでお客さまが元気になれるようなショーをしていきたい」と意欲を見せる。
アシカショーは500人以上収容できる同館のパフォーマンススタジアムで「ライブパフォーマンス」1回のほか、11時30分、14時30分からの「ストーリーショー(鳥羽太郎物語)」2回の計3回が毎日行われている。
開館時間は9時~16時30分(3月20日まで)。入館料は、大人=2,400円、小人=1,200円、幼児(3歳以上)=600円。