伊勢の献血ルーム「ハートワン」が2月8日、民間商業施設「ミタス伊勢」（伊勢市船江）の一角に移転した。新しいルームには、血液を提供してくれるドナーへの配慮が幾つも見られた。

新しくなった伊勢の献血ルーム「ハートワン」

　1990年10月、旧山田赤十字病院（御薗町）内に開設された旧献血ルームでは、今年2月5日までに延べ12万2853人から献血の協力を得た。同日10時、関係者約30人が参列し、新ルームのテープカットを行った。13時から、一般ドナーの受け付けを行い順番に採血が行われた。

　受け付け休憩スペースは80平方メートルで、問診用ディスプレー3台、無料で利用可能なインターネットに接続されたパソコン2台、ソフトドリンク自販機（無料）などを設置。全体を木目調で統一した。さらに、週刊誌や女性誌など16誌、「アバター」「ALWAYS 三丁目の夕日」などのDVD40本、漫画本なども充実させた。スナック菓子なども常時用意するほか、Wi-Fi環境も整えた（協力者にはパスワードを教える）。

　採血スペースは103平方メートル。神社の屋根をイメージした天井で、明るく広々とした空間を演出。ベッドにはシャープ製16インチの液晶モニターも備える。所長の松原利公（としひろ）さんは「漫画ワンピースは現在40巻までだが、全巻をそろえる予定。DVDもできるだけ最新のものを置いていきたい」と話す。

　新ルームでの採血第1号となった伊勢市在住・会社員の浜口利郎さんは職場の時間休暇を利用し、移転のお祝いを兼ね献血に協力。「旧ルームでの採血も献身的な看護師さんのおかげで快適だったが、新ルームも素晴らしい。緊張する（笑）」とはにかみながらベッドに横になった。

　松原さんは「旧ルームは病院内にあったことから土曜日を休みにせざるを得なかった。さらに日曜は病院の正面玄関が閉鎖されるため、最も協力者の多い土曜・日曜の稼働が完全ではなかった。新ルームでは5ベッドから8ベッドに増やし、土曜・日曜も受け付け、待合室や採血室の快適性も向上させたので、1日平均40～50人と旧ルームの倍のドナー協力をお願いしたい。先着1000人に記念品も用意させていただいているので多くの人に来ていただければ」と話す。

　受付時間は、全血献血＝10時～11時45分・13時～17時30分、成分献血＝10時～11時・13時～17時。金曜定休。予約・問い合わせは同施設（フリーダイヤル0120-25-7821）まで。