カレーハウスCoCo壱番屋(一宮市)と度会(わたらい)町と三重県がタイアップし現在、三重県内の全30店で県産の鹿肉入りのコロッケをトッピングした「シカコロオチャメカレー」が期間限定(6月3日~7月31日)で販売されている。
「シカコロオチャメカレー」を試食する鈴木三重県知事とちょんまげ姿の斉藤やすさん
同社は、店舗数1315(国内1237、海外78)店、店舗売上高721億円(2012年5月末時点)の国内最大のカレーチェーン。北海道限定スープカレー、関西地区限定牛すじ煮込みカレーなど地域限定メニューの開発にも積極的に取り組んでいる。
「シカコロオチャメカレー」は、獣害対策で捕獲したシカ肉の有効活用の一環として三重県と度会町が同社と連携し実現。コロッケは、シカ肉の料理研究を行なっている度会町商工会女性部が中心になり開発・加工に乗り出し、ジャガイモとタマネギの中に約3グラムのシカ肉ミンチと約1グラムのシカ肉の塊を5個を入れ成型し急速冷凍したものを金属探知機にかけ異物混入がないようチェックし同社に納入する。店頭では、カレーライスの上に、衣をつけ揚げた同コロッケ2個をトッピングし、好みに合わせて同町特産品の日本茶「わたらい茶」の粉末をふりかけ提供。ネーミングはシカ肉、コロッケ、お茶(め)から取った。
17日には、鈴木英敬三重県知事と伊勢安土桃山文化村(伊勢市二見町)の人気役者の斉藤やすさんが同社直営の伊勢南勢バイパス店(御薗町)で試食するなどPRキャンペーンを行なった。
同社愛知西ブロック長の古川剛さんは「全県で一斉に提供する限定メニューは全国でも初めて。6月16日時点での同メニューの販売数は2180食。全県のメニューの中でも上位にランクされている」と話す。同商工会の木本タヱ子女性部長は「同社にはハンバーグとメンチカツとコロッケの3種類を提案し、最終的に『シカコロオチャメカレー』になった。最初は加工するのに手間取ったが、現在は生産性も向上し日産800個に。期間中に1万個以上は売りたい」と意欲を見せる。
「豚しゃぶカレー・トッピングほうれん草・2辛」をいつも注文しココイチの常連だという鈴木知事は「シカ肉の臭みなどなく、とてもおいしくバランスもいい。たくさんの人に食べていただきたい。食べた人はフェイスブックやツイッターなどでどんどん口コミで広めましょう」とPRする。
三重県の獣害被害(シカ、イノシシ、サル)は、2010年度データによると約4億7000万円、うちシカによる被害額は約1億2000万円で、全国ワースト7位。年間の捕獲数は1万5000頭で、うち食用になったものは約1000頭だという。県はシカ肉やイノシシ肉の料理レシピ集などを作成し配布している。
「シカコロオチャメカレー」の価格は680円。