第62回式年遷宮を来年に控え、社殿などの造営作業が行われている伊勢神宮で7月21日、正殿の屋根にカヤを葺(ふ)く作業が終わり、最後に飾り金物を取り付ける祭典「甍祭(いらかさい)」が行われた。
斎服を着た石垣仁久(よしひさ)主事が祝詞を奏上し、建物の神様「屋船大神(やふねのおおかみ)」に「飾り金物が緩まないようにお守り下さい」と祈願、次に野崎芳郎技師および素襖(すおう)姿の4人の小工(こだくみ)(村田耕一さん、池田功さん、田中守さん、藤村宗光さん)が、御甍覆(おんいらかおおい)、千木(ちぎ)、御形短柱(ごぎょうづか)に金物を打った。
同祭は、5月23日に執り行われたカヤを葺き始める祭典「檐付祭(のきつけさい)」から始まったカヤ葺き作業が終了した節目に行われるもので、檐付祭同様に非公開で行われた。新しくなった茅葺き屋根を実際に見た神宮職員は「とても美しかった」と感想を漏らした。
一般の人がカヤ葺き屋根や飾り金物を近くで見ることができるのは、来年行われる「白石持ち」行事(御敷地に白石を奉献する行事)に参加した時だけ。その後は、一般の人の目に触れることはない。
同23日には外宮で同様の祭典「甍祭」が執り行われる。せんぐう館(伊勢豊川町、TEL 0596-22-6263)では、同祭についての説明と参道からの奉拝、同館のガイドなどのサービスを行う「外宮・甍祭の奉拝」を実施予定(先着順・要電話予約)。