180マイル(約300キロ)を走る国内最高峰の外洋ヨットレース「パールレース」が7月27日、南伊勢町・五ヶ所湾口をスタートした。参加艇は、伊豆諸島東京都の利島(としま)を反時計回りでターンし、神奈川県江の島の東・七里が浜前に設置したフィニッシュラインを目指す。早いものは、翌日の夕方ごろにゴールする。
日本セーリング連盟、JSAF外洋東海、外洋湘南の共同主催による同レースは、今年で53回を数える。参加52艇(参加クルー合計379人)を集め、正午の号砲を合図に、まずはダブルハンド(2人乗り)の3艇がスタート、その10分後に残りの49艇が、水平線の彼方の大海原に向かって風を切った。この日スタート時の天気は晴れ、風は南8.3メートル。
参加艇の中には50年以上前に作られた木造のヨットをリストアした志摩ヨットハーバー「ヴィヴルオーシャンクラブ」(同)所属の「天城(AMAGI)」(オーナー北山洋一さん)も。被災地宮城県からは「mystic x (ミスティックエックス)」(オーナー餅啓一さん) 、「HIPPOCRATES (ヒポクラティス)」(オーナー飯島俊彦さん) の2艇も参加した。2年連続参加の「CONTESSA XIII」オーナー石原慎太郎(東京都知事)さんの姿は今年はなかったが、同ヨットは参加していた。
河内道夫大会実行委員長は「一昨年が41艇(320人)、昨年が47艇(346人)で今年が52艇。ピークだった1991年(32回)大会の参加185艇(1,520人)に比べればまったく及ばないが、年々参加艇が増えていることはうれしいこと。『冒険』にチャレンジする人がもっと増えれば」と話す。
タイムリミットは29日16時。29日には、江の島ヨットハウスでフェアウエルパーティーを開催。参加艇には、今年も東日本大震災の復興支援活動の一環として「がんばれ東日本」のフラッグを揚げてレースに臨んだ。参加艇の現在地をパールレースのホームページでも公開している。