近畿日本鉄道(大阪市天王寺区)は伊勢志摩方面に乗り入れる近鉄特急23000系「伊勢志摩ライナー」を18年ぶりにリニューアルし、8月4日から運行を始めた。
赤の新「伊勢志摩ライナー」と黄色の現行「伊勢志摩ライナー」賢島駅で
「伊勢志摩ライナー」といえば、伊勢志摩へ向かう近畿車輌(大阪府東大阪市)製造の黄色の車体で知られる特急電車。今回新しく赤のボディーカラーが追加された。さらに9月・12月・来年2月ごろに黄色を、来年6月・7月ごろに赤の「伊勢志摩ライナー」計6編成を、総工費約12億円(1編成約2億円)をかけリニューアルする。
主なリニューアルは、全体を木目調の内装にし、6号車のデラックスカーではベージュの織物のシート生地に、壁面に志摩産の真珠を施した装飾品を、5号車のサロンカーでは明るいピンクのシート生地、天然木のテーブルを、1~4号車のレギュラーカーでは「伊勢志摩の海のさざ波」をイメージしたという4色の青を基調としたシート生地に。各シートにはパソコンや携帯電話の充電も可能なコンセントを配置し、デラックスカーとレギュラーカーのカーテン、サロンカー、レギュラーカーの座席表布に住江織物(大阪市中央区)の消臭加工を施した「トリプルフレッシュ」を採用した。全トイレを和式タイプからTOTOの温水洗浄付き便座の洋式タイプに変更し、車いす対応の多目的トイレを2号車に配置。全席禁煙にし、代わりに3号車に8席分のシートを取り除き新たに禁煙室を設けた。
リニューアル初運行日となった4日に乗車した津市在住の宮下誠さんは「リニューアルを楽しみにしていた」と家族でサロンカーに乗車した。同社の名古屋事務所の伊藤泰幸さんは「目的地までの道中も楽しんでもらえるように。『旅の楽しみは電車から』ですから(笑)」と話す。「今回のリニューアルで、あまり知られていないが、シート上部にライトが付いた。停車駅ごとにオンライン接続し色が変化する」と打ち明ける。