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年に一度の志摩の文楽「安乗人形芝居」上演迫る-安乗神社秋季例大祭で

年に一度の志摩の文楽「安乗人形芝居」上演迫る-安乗神社秋季例大祭で、安乗小学校4~6年の児童による人形劇「勧進帳」練習風景

年に一度の志摩の文楽「安乗人形芝居」上演迫る-安乗神社秋季例大祭で、安乗小学校4~6年の児童による人形劇「勧進帳」練習風景

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 安乗(あのり)神社(志摩市阿児町安乗)の秋季例大祭に合わせて行われる「安乗人形芝居」が9月15日・16日、同神社境内に常設する人形芝居舞台で上演される。

400年以上続く安乗人形芝居

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 400年以上続く人形浄瑠璃「安乗文楽」は1980(昭和55)年、国の重要無形民俗文化財の指定も受けた。豊臣秀吉に仕え水軍として活躍した武将・九鬼嘉隆が1592年の文禄の役出兵の際、同地の八幡宮(同神社)に海上安全と戦の勝利を祈願、朝鮮での合戦に勝利し、同年8月15日にお礼参りに再来、村人に人形芝居を毎年行うことを許可したのが始まりとされる。

 江戸時代から明治の初めころまで最盛期を迎えたが、1925(大正14)年の上演を最後に1949(昭和24)年まで中絶。1951(昭和26)年結成の安乗人形芝居保存会が復活させた。さらに後継者育成を目的に1978(昭和53)年、安乗中学校にクラブ活動の一環として「文楽クラブ」ができる。

 毎年本番の舞台では、安乗小学校4~6年の児童が人形劇「勧進帳」で、文楽クラブが「鎌倉三代記~三浦之助母別れの段」で、それぞれ祭りを盛り上げ文楽を継承する。

 安乗小学校の児童36人は今年4月から、総合の授業時間を活用しながら練習を開始。夏休みも暑さに耐えながら人形の操り方、太夫のせりふなどを何度も繰り返しながら覚えていった。

 文楽では、首と右手を動かす「主(おも)遣い」、左手を動かす「左遣い」、脚を動かす「足遣い」の3人が1組となって人形を動かす。主遣いは、人形全体を支え、足遣いの邪魔にならないように「舞台下駄(げた)」という高さのある下駄を履きながら人形を操らなければいけないため最もつらい役になる。主遣いを担当する児童らは、休憩に入ると両手をマッサージしたり、ブラブラと体操したりしながら練習に励んでいた。

 開演は両日とも18時30分。演目は次の通り(かっこ内は遣い手)。

 15日=「勧進帳」(安乗小)、「鎌倉三代記~三浦之助母別れの段」(文楽クラブ)、「生写(いきうつし)朝顔話~宿屋より大井川の段」「傾城(けいせい)阿波の鳴門」(安乗人形保存会)。

 16日=「戎舞(えびすまい)」「艶容女舞衣(あですがたおんなまい)~酒屋の段」「絵本太功記~尼ケ崎の段」(安乗人形保存会)。それぞれ太夫を竹本友和嘉さん、三味線を豊沢町子さんが担当する。

 両日14時から「三番叟(さんばそう)」の上演、15日限定で安乗灯台の夜間無料公開(17時30分~20時30分)もある。

伊勢志摩経済新聞VOTE

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