現役の海女で、皇学館大学(伊勢市神田久志本町)文学部コミュニケーション学科3年の女子大生・鳥羽市在住の中川静香さん(21)が第57代の「ミス伊勢志摩」グランプリに輝いた。
ミス伊勢志摩グランプリとなった現役女子大生で海女の中川静香さん
ミス伊勢志摩に選ばれると、伊勢志摩の観光PRなどを行う。任期は1年間。「伊勢まつり」「真珠祭り」などへの参加のほか、中日写真協会主催の撮影会のモデルなどを務める。
中川さんの家族は、祖母と母も海女を務める3世代海女家族。一方、海で取ったアワビやサザエなどを調理し提供する民宿旅館「なか川」(鳥羽市相差町)も営む。
中川さんは高校3年の12月、初めて海女として海に潜った。「サザエ1個を取るのに1時間かかった。最悪だった」という。それでも諦めず、大学生になった翌年4月から本格的に海女活動を開始し、9月で3年目の夏を終えた。「まだまだアワビを取るのは難しい。おばあちゃんは私の10倍のアワビを取る。母や祖母が目標。結婚するまではずっと海女を続けていく」と決意。
海女になった理由について、中川さんは「高校を卒業すると、仲のいい友人がみんなが地元から離れていってとても寂しかった。自分にしかできないことを――と考え海女になることを決意した。祖母や母の後ろ姿がかっこよかったのも理由の一つ」と話す。ウエットスーツは、母に買ってもらったというピンクのROXY。
そんな中川さんにミス伊勢志摩への応募を勧めたのは、中川さんがいつもケーキを食べに行く鳥羽市内の飲食店の女性。グランプリ発表の9月9日、「まさか最後に自分の名前が呼ばれるとは」とびっくりしたという。「ミス伊勢志摩という仕事を通して、私にできる役割を考え一生懸命伊勢志摩をPRしたい。自分は鳥羽出身なので鳥羽のことなら私に任せて」と意欲を見せる。