「日本パートナーシップ大賞」グランプリ発表・表彰式が12月1日、中京大学名古屋キャンパス(名古屋市昭和区)で行われ、相可高校(多気郡多気町)生産経済科の生徒が中心になり活動するNPO法人「植える美ing(ウエルビーイング)」と民間企業・万協製薬(同)などが展開する「まごコスメプロジェクト」がグランプリに輝いた。11日、同校で報告会が行われた。
相可高女子生徒らのNPOと万協製薬が「日本パートナーシップ大賞」グランプリ
NPO法人「パートナーシップ・サポートセンター」(名古屋市千種区)が主催する同賞は、非営利のNPOと営利の企業が協働することが可能であることを示し、その具体例によって「協働」の意味や価値、重要性を社会にアピールし、両者の事業を推進することを目的に2002年創設。毎年、NPOと企業の協働によって実施された事業を全国から募り、社会にインパクトを与えた特色ある事業を顕彰している。
9回目となった今回は全国から33事業のエントリーがあった。「まごコスメプロジェクト」は、1次審査、現地調査・ヒアリング調査を経て、2次審査を通過。最終の6事業に選ばれ優秀賞を獲得。さらにグランプリ・日本一に輝き、表彰状と記念盾、副賞30万円(優秀賞副賞10万円)を手にした。
「植える美ing」は1996年、三重県下初の高校生によるNPO法人として設立され、園芸がもたらすさまざまな効果を福祉に役立てようと、「園芸福祉」を主に事業を展開する。理事長をはじめ社員のほとんどが高校生。万協製薬は1960(昭和35)年、兵庫県神戸市長田区内で創業したが1995年1月17日の阪神淡路大震災で全てを失い、翌1996年、同町に本社・新工場を移転、第2の創業を迎えた。外用薬・スキンケア商品専門の製薬会社。2009年に日本経営品質賞(中小規模部門)を受賞する。
同プロジェクトは、多気町の伊勢茶や柿の葉エキスなど地元産品を使ったハンドジェルを開発し販売。その活動に感動・触発され、「メンターム」などの商品を開発・販売する近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)との協働事業に発展。リップクリームや日焼け止めクリームなどの商品開発にまで及び、「まごころ」ブランドのスキンケア商品として5シリーズを展開するまでになった。全国のドラッグストアだけでなく海外まで販路が拡大し、2010年10月から現在までに総販売数6万4121個、1,855万2,930円を売り上げるヒット商品となった。
この日は、久保行央多気町長と東則尚校長らにグランプリになったことを報告。さらに万協製薬と近江兄弟社から同校生徒全員分840本の「まごころteaハンドジェル」と、日焼け止め乳液「まごころBBミルク」と「まごころSPミルク」各432個が同校へ受賞記念として贈られた。同NPO代表監事で同校3年の峯川咲希さんは「3年間プロジェクトに携わり、長かったな~と思うのが第一印象。グランプリを取り認められてうれしかった。感謝の気持ちでいっぱい」と感想を漏らした。副賞の40万円は、万協製薬と近江兄弟社への恩返しに――と、両社の商品を東京で店頭販売・PRキャンペーンするための費用に充てるという。