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G7伊勢志摩サミットから7年 重なる雨の記憶、広島へつなげる平和への思い

伊勢志摩から広島につなぐ平和祈願 「G7広島サミット」開幕

伊勢志摩から広島につなぐ平和祈願 「G7広島サミット」開幕

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 三重県志摩市で開催されたG7伊勢志摩サミットから7年後の5月19日、広島市でG7広島サミットが開幕した。

【その他の画像】G7広島サミット、原爆ドームの前で

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 広島サミットの初日の朝は雨。2016(平成28)年5月26日・27日の2日間開かれた伊勢志摩サミットの初日の朝も雨だった。

 1945(昭和20)年8月6日、人類史上初の原子爆弾投下があった爆心地に近い広島平和記念公園(広島市)で岸田文雄内閣総理大臣夫妻が、エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領、ジョセフ・バイデン米国大統領夫妻、ジャスティン・トルドー・カナダ首相、オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相夫妻、ジョルジャ・メローニ・イタリア共和国首相、リシ・スナク英国首相夫妻、シャルル・ミシェル欧州理事会議長及びウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫妻を出迎える時には雨は上がった。

 首脳たちは、平和記念資料館(原爆資料館)を訪問し、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれている原爆死没者慰霊碑への献花を行い、被爆サクラのソメイヨシノの植樹を行った。慰霊碑の前で、松井一實広島市長から原爆ドームについて説明を受けた首脳は、岸田総理大臣とともに、「核兵器のない世界」の実現に向けて、平和への願いを固くした。

 伊勢志摩サミットでは、当時の内閣総理大臣・故安倍晋三さんが伊勢神宮内宮(ないくう)の宇治橋前で首脳たちを出迎えた。首脳たちが宇治橋を渡り伊勢神宮に入ると雨が上がった。首脳たちは、太陽の神さま・天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭る正宮(しょうぐう)まで進んで神殿の前で一礼をした。正宮前での記念撮影の場面では、雲が抜け太陽の光が首脳たちを照らした。

 伊勢志摩サミットにおいて伊勢神宮を訪問した際、安倍総理は「平和と繁栄を祈る」、米国オバマ大統領は「幾世にもわたり、癒やしと安寧をもたらしてきた神聖なこの地を訪れることができ、非常に光栄に思います。世界中の人々が平和に、理解し合って共生できるようお祈りいたします」、仏オランド大統領は「日本の源であり、調和、尊重、そして平和という価値観をもたらす、精神の崇高なる場所にて」、独メルケル首相は「ここ伊勢神宮に象徴される日本国民の豊かな自然との密接な結びつきに深い敬意を表します。ドイツと日本が手を取り合い、地球上の自然の生存基盤の保全に貢献していくことを願います」と各国首脳は直筆のメッセージを残している。

 伊勢神宮の神職で広報室次長の音羽悟さんは「首脳からいただいたメッセージは、伊勢神宮で感じたそれぞれの思いが『自然』『調和』『平和』という言葉を使って率直につづられている。広島には原爆投下という戦争による犠牲者からの、切なる平和祈願が込められている。伊勢神宮では、人々が飢えないようにと五穀豊穣(ほうじょう)を日々祈り、食物の奪い合いからくる争いごとが起こらないようにと世界の平和を祈っている。共に平和を祈る思いであることには違いない。当時、雨の天気予報で心配したの思い出した。伊勢志摩の後に広島で開催される日本でのG7サミットが、雨から晴れ上がる天気のように、世界が調和し平和になっていくことを願う」と期待を込める。

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